温泉ワーケーションおすすめ宿10選【後編】

　前回に続き、温泉ワーケーションおすすめ宿をご紹介します。全て、私が実際に湯治も兼ねて業務を行った宿です。

＜①～⑤まではこちら＞

　ワーケーションをするのであれば、やはり最低でも3泊はしたいところ。チェックイン15時、チェックアウトが10時ですから、初日と最終日はほぼ仕事はできないと見てよいです。
　滞在日数が短いほど、移動時間とそのコストの糊代が厚くなります。やるのであれば、出来れば1週間行ってしまった方が良いです。
　
　また、2食付きもコスト面と胃袋的に厳しくなります。旅館の食事は、流石に毎日は食べられません。素泊りか、食事付きでも粗食や家庭的な料理を提供してくれる宿をお勧めします。

　それらも踏まえ、⑥～⑩までをご紹介。
　

⑥鳴子温泉郷　川渡温泉「高東旅館」（宮城）

　この宿は特別な存在です。それまでの湯治場の概念を覆すほど、清潔且つ快適。Wi-Fiがないのがネックでしたが、今年の春先に遂にルーターが設置されました。たまたま設置工事の日に居合わせました。

　持病のため元々療養目的で滞在していましたが、やってみるとこの宿ほどワーケーションに適した宿はありません。

　源泉の湯元は浴室のすぐ横。裏庭に行くと升があり、その下からゴゴゴッ、と湧いてます。激熱です。冬場は特に効きます。

　1泊4,500円ほどですが、何とこの料金で朝夕ご飯と味噌汁が付きます。しかもただの米ではありません。ご主人自ら裏の田んぼで植えた一等米です。田植えの瞬間にも立ち会ったことがあります。

　炊事場も清潔で、まめに清掃されています。衛生面からなかなか湯治場の自炊はハードルがありますが、ここは本当に綺麗なので毎日自炊します。

　車で10分圏内にドラッグストアや八百屋、精肉店もあります。食材の確保にも困りません。

語りつくせぬ思い出。追想したただけで、涙が、、
1泊：4,500円程度（要確認）
近代温泉ワーケーションの父（と、勝手に呼ばせてください）、高橋一喜様の記事もご参照ください。

⑦伊豆畑毛温泉「誠山」（静岡）

　伊豆の中でも穴場的な存在です。レジャーや観光とは一線を画すこの地。富士山が良く見える長閑なエリアが畑毛温泉です。

　こちらの宿は湯治を目的とした宿で、1泊素泊まり6千円台のプランから、5泊6日14食付きのプランまであります。まだリニューアルされたばかりで、部屋も浴室も脱衣所も大変綺麗です。

　伊豆の沿岸は高温源泉が多いですが、こちらは30度と温いです。無色透明、さっぱり系の源泉浴槽があります。その他、35度、42度の加温浴槽あり。無限交互浴でじっくりと効かせましょう。

　私が滞在した部屋は特に気になりませんでしたが、場所によってWi-Fiの強弱があるようです。現地で困らない様、事前に確認した方がほいかもしれません。

近くにコンビニあり、JR函南駅から路線バスも通っているので、公共交通機関でもチャレンジできます。

温湯なので、夏は最高です。
近くの柿沢川沿いから見る富士山が綺麗でした。
素泊り：6,600円～　　5泊6日14食付：45,000円～

※画像は公式ホームページからお借りしました。

⑧板室温泉「あったか～いやど　勝風館」（栃木）

　白濁硫黄の那須湯元に隠れがちな板室温泉ですが、リラックス効果や美肌、リウマチ緩和を目的とするあれば圧倒的に「板室」を推します。

　家族経営のこちらの宿、湯もおもてなしも本当に素晴らしいです。
素泊りはなく2食付きプランがベースになりますが、泊数に応じて1泊単価が安くなります。

　旅館の豪勢な食事ではないですが、家庭的で連泊でも飽きません。毎日違う献立を考えられていて、地元の山の料理を中心にバランス良い食事が配膳されます。

　源泉は40度、露天を持たず小さい内湯が2つ。これは限られた湯を大切に使用している証拠と捉えましょう。上品な香りの石膏臭漂う源泉、30分～1時間の入浴を一日5回程度。私は持病の全身痛を何度かこちらで回復させました。

美肌効果も凄いです。連泊すればゆで卵の様な肌に仕上がるでことしょう。
1泊2食付：8,950円（※連泊すると安くなっていきます、要確認）

※画像は公式ホームページからお借りしました。

⑨下部温泉「元湯　橋本屋」（山梨）

　信玄の隠し湯であり、霊泉の代表格でもある下部温泉。足元湧出の「源泉館」が筆頭ですが、清潔さと価格帯、Wi-Fi環境を考慮するとこちらを推します。（源泉館は完全に湯治向けの宿です）

　子育てに奮闘中の若女将とご主人、まだお若くお二人とも爽やかです。館内は非常に清潔にされていて、通信環境も良好。素泊り4千円台とは信じられません。

　源泉は30度の温湯（大浴槽）、42度の熱湯（小浴槽）を交互浴で効かせます。気持ち良すぎて逆に仕事が捗らず、ダメ人間になってしまわないよう注意が必要かもしれません。

　私はここで脊柱管狭窄症を抱える湯治客と意気投合してしまい、1日に4時間程湯に浸かっていました。予定していたタスクを残し、宿を去ることになりましたが宿には何の責任もありません。

　下部温泉駅から歩いても行けます（20分くらい）。送迎もありますが、健康のためにも歩きましょう。下部川沿いは歩いていても気持ち良いです。

蕎麦屋と定食屋が徒歩圏内にあります。朝食付きにすれば昼夜困らないです。
素泊り：4,500円～

※写真は公式ホームページより

⑩湯宿温泉「ゆじゅく 金田屋」（群馬）

　群馬出身でも知らない方も多い小さい温泉地です。国道17号沿いですが、驚くほど静かです。清流赤谷川と石畳の温泉街に宿が数件並ぶだけです。

　自宅の埼玉から2時間以内という理由もありますが、何度もお邪魔しています。一人客率がこれほど高い旅館は他に知りません。皆、都会での疲れを汗と共に流しに来ているようです。源泉は熱いです。

　開湯1,200年、開業150年を誇る老舗宿。歴史が造り上げた閑雅な木造宿の趣は、いくら有名アーティストといえど再現できないでしょう。

　Wi-Fi環境も快適です。作業に詰まったら湯に入り赤谷川の畔を歩きます。
少し離れますが、ウォーキングがてら20分程丘を登ると「道の駅　たくみの里」があります。食量も手に入ります。

　隣に蕎麦屋もあり、定食メニューも豊富です。宿泊者にはちょっとした割引サービスもあります。

若山牧水も一人でこの宿を訪れています。
以前、満室稼働で私を含め全員一人旅というミラクルを見ました。
素泊り：6,600円～

番外編　増富温泉「三英荘」（山梨）

　本当はおすすめ宿の筆頭がここなのですが、、私が長期滞在した際はWi-Fiルーターが壊れており、使用できませんでした。なので通電状態は未知数なので、番外編で。

　ちょっとマニア向けかもしれません。源泉は20度です。水をボイラで加温して上がり湯を作り、源泉との交互浴で効かせます。

素泊り：5,000円～
この宿がなくなったら、私は三日三晩泣き続けるかもしれません。

＜詳しくはこちら＞

八月の湯治｜ヨシタカ｜note

　以上10選でした。あくまで、個人の感想です。


＜⑥川渡温泉　高東旅館の記録＞

＜⑧板室温泉　あったか～い宿 勝風館＞

＜⑩湯宿温泉　金田屋の記録＞