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副反応との格闘

 8月初旬、2日続けて東京都内へ出た。大学病院にて持病の経過観察と、二度目のワクチン接種のためだ。昨年秋に病に倒れて以来、連日での来京は10ヶ月振りとなる。

 通院している病院では、既に断定されている「線維筋痛症」に加え、定期検査で合併症を追っている。可能性として、膠原病や自己免疫疾患など、まだ疑わしいものがあるようだ。これらの検査は長期戦と覚悟している。
 予てより、痛みは勿論だが白血球数や血清補体価などの乱高下が激しく、どうも掴み所がないという。


 この日は午前に採血を行い、午後に久々内臓の超音波検査。以前別の医院で受けた結果を紹介状と共に提出していたが、ここでは初めてだった。
 消化器内科の専門に罹るが、幸い内臓自体は問題はないという。血液検査の一部結果も出ており、やはり低白血球等が確認された。
日を改めて、血液内科と神経科の予約が8月中に押さえられた。

 長い通院生活。波はあるものの、確実に1年前よりは快方に向かっている。ベッドから動けなくなるほどの発作は治まり、何より身の危険を察知する力が備わってきている。


 マインドの問題も大きいだろう。最初に温泉治療を薦めてくれたのも、こちらのリウマチ・膠原病科の主治医。
 一時別の病院にて、言われるがままに大量の投薬を続けたことがある。結果重度の神経障害になり、一週間眠れず食えずの状態に陥ったことも。

 この日も都内はとんでもない暑さだったが、汗を拭いながらも電車を乗り継ぎ独歩で通院。少しずつだが、病との戦いも前進していることを実感していた。


 問題は次の日。
恐れていたのは2回目ワクチン。私の同僚も多くが発熱した。間違いなく、自分にも不調が訪れることを予測していた。不安は的中する。
 
 私の場合、この手の発熱はスパイク熱と化し、一気に全身痛と共に高温に達する。40度を超えることは決して珍しくない(ほとんど驚かない)、幼少のころから現在に至るまでこの傾向は変わらない。

 接種を終え自宅に戻る。体温には人一倍敏感なため、大体予想はついていた、夜に体温計を刺すと「39度5分」。
 
 「まあ、こんなもんだろう」

 身体は確かに辛く、激痛も襲う。だが予想していた以上でも以下でもない。語弊があるかもしれないが、線維筋痛症の発作の方が遥かに恐ろしい。
 
 発熱したら、ひたすら耐えるのみ。解熱剤や頓服は、基本的には医師からは止められている。幼少のころから多くの医師に会ったが、見解は皆一緒だ。

 健常者であれば白血球がウイルスなどを滅菌する。だが私の場合白血球が少なく、身体は熱でウイルスと戦おうとする。
    解熱剤は一時的に楽になるかもしれないが、体温が下がってしまうと抗菌力が当然弱まる。そのため体内に滞留する時間が長くなり、後日ぶり返す。結局長期戦に及び、気力と体力が失われるだけ。これは幼少期から何度も繰り返してきた失敗に基づく経験。

 成人してからは対処法に磨きがかかる。熱が40度に達したかと思えば、とにかく食べて飲んで、そして長めに風呂に入る。汗が出始めれば回復してきた証拠、寝汗が出ればなお良い。

 大体2日あれば全て体外に流れ、完全に回復する(普通の風邪の症状であれば)。

 今回の副反応は、いつものスパイク熱よりかは軽度だった。夏であることの手伝い汗も出やすく、数日前に磐梯熱海で湯治をしたばかり。気力も充実していた。

 <その時の様子>

 
 汗が出れば出るほど、身体は平穏を取り戻す。
私は温泉好きが高じ、夏場は家でも浴衣で生活している。6着を着まわしているが、これらは1着を除き全て湯治場で譲ってもらったものだ。
 長期滞在するとそれなりにご主人女将さんと仲良くなる。帰り際に「売ってくれませんか??」とお願い。
 
 すると、「もう使ってないやつが沢山ある」と、大量にいただいたのだ。


 夏場は機能的にも優れていて、とにかく涼しくて軽い。この猛暑とあり乾きも恐ろしく早い。寝汗が出たら洗濯機へ、すぐに乾くので新しいものに着替え、また布団に横になり汗を出す。今回ほど浴衣の利便性を感じたことはなかった。

 こうして、摂取後の翌々日には完全に平熱に戻っていた。

 やっぱり、変な身体だなぁ。

                          令和3年8月某日

 ※あくまで私の経験談です。
 ワクチンの是非を問う内容ではありません。

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<次回はこちら>


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