対話を通じて、皆が自分の可能性に気づき、自分を信じることができるように。
はじめまして。
トイログの運営者のオノと申します。
色々な人が自由に対話を楽しめる場をもっと世の中に増やしたいと思い、一念発起して「トイログ」というイベントを始めることに決めました。
トイログとは、10名前後の参加者同士で、いくつかのテーマについて対話を行うというシンプルなショートセッションです。
対話?それって何の意味があるの?楽しいの?と疑問に思われる方も多いと思いますので、「対話の持つ力」と「私がそれをやりたいと思う理由」について書かせていただきます。
対話の持つ力とは。
そもそも対話とは何なのでしょうか。
私は、対話とは「自分と相手がお互いの言葉に影響を受け合いながら、正解のない問いについて探求すること」だと思っています。
問いはどんなものでも良いのです。
例えば、「恐れとはなにか?」という問いだったとして、何人かでそれぞれの考えをポツポツと話し合ってみる。
一人ひとり考え方は異なるので、自分とは全く違う視点に立った考えを述べる方もいるでしょう。
でもそれで良いのです。対話とは、意見をぶつけ合って論理的な正解を探すのではなく、それぞれの違いを楽しみ、さらには自分の考え方が変容していくのを楽しむ場なのです。
自分が発した言葉が相手に届くと、その人は無意識化で自分との違いを探したり、その違いが生まるに至った原因を探したりします。
「自分はここが大事だと思ったけどこの人にとってはそうではないようだ。ん?でも何で自分はこれが大事だと思ったんだっけ?」
そんな思考が頭の中をワーッと走り出します。
言葉を聞くこと、言葉を発すること、自分の内面を探索すること、それら3つが同時並行に行われ、脳が2つになったような感覚になり、次第にその場に没頭していく。
その結果、自分でも認識していなかった考え方や拘りに気づき(=メタ認知)、自分自身が少しずつ変容していく。
このような、気付きと自己変容のきっかけを生むことこそが、対話の持つ大きな力だと思っています。
なぜ私が対話の場をつくりたいと思うのか。
対話の場に参加するだけではなく、自分がその場を作る側に回りたいと思うに至ったのは、仕事がら「自分の意志」を問い続けることの大切さを日々感じているからだと思います。
私はもう10年以上企業の人事担当をしていて、採用から育成まで幅広にやってきました。3000人程の大きい企業、30人程のスタートアップ、そして今は1000人程の中規模の企業で勤務しています。
仕事をする中で痛烈に感じるのは、会社の規模・世代・役職といったものを問わず、「お前はどうしたいのか?」に対する明確な意志を持っているかどうかで、その人の成長の速さもコミットメントの強さも段違いに変わるということです。
ここで言う意志とは、AとBのどちらを選択したいか?といった小さなことではなく、自分の生涯をかけて成し遂げたい夢、こう在りたいという理想像、誰のためにどんな価値を生みたいかといった存在意義などの「深くて大きな」意志です。
そのような意志を固めることは極めて難しいことだとも分かっています。
後付けで考えて自分の思ってもいない綺麗な言葉をまとめてみたり。
本音ではあるけど狭い世界の中だけで考えてしまっていたり。
「自分ってこんなに空っぽなのか…」と思い悩む人を沢山見てきました。
そんな折、自分自身が良質な対話の場を経験する機会に恵まれました。
自分のことを穴が開くほどに見つめ直し、とてもエネルギーを使いましたが爽快なほどに思考が研ぎ澄まされる感覚を得ることができ、これだと直感しました。
年齢や性別・出自を問わず色々な人が集まって対話する場がもっと沢山必要だと思ったのです。
その後、平日夜と終末に大学に通って理論的な裏付けを学んだり、仕事の中で研修という形で対話の場を設けたり、自分自身も沢山の対話セッションに参加するなどして実践知を蓄積してきました。
今では、対話の場の意義は確信に変わっています。
私は、どんな人でも内なる意志の種を持っていると思っています。
また、その種を健康的に萌芽させるための栄養は、自分と異なる世界に身を置く人からの刺激と、深い自己内省だとも思っています。
蛇足ですが、社会の在り方も急激に変わっています。
山口周さんが書籍で述べられていることに強く共感しているのですが、もはや正解を探す力はコモディティ化しています。
テクノロジーで代替できる人間の仕事は失われ、人は人にしかできない「意味の創出」を求めていくことになるのだと、割りと本気で思っています。
思いや意志といったものの大切さがより際立つ時代を迎えているのです。
トイログでの対話を通じて、自分を見つめ直し、自分の可能性に気づき、自分に自信をもてるようになる。
一人でも多くの人にそんなきっかけを届けられたら、と思います。
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