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介護職のモチベーション

つい最近、Twitterで「介護職の人に質問です。何をモチベーションにしていますか?」という投稿を見た。

そんなのはなくて、ただ業務をこなして早く帰りたいという人もいれば、昇進という人もいた。
内発的、外発的のどちらにしても、人それぞれいろんな意見はあるよね。

私は、あらゆる仕事の基本的な動機付けは「幸せに生きる願望」だと思っている。だから、幸せに生きやすい社会をつくりたい。そのための良い仕事でありたい、その中に身を置きたい、というね。

今の時代、福祉の仕事に限らずだけど、会社の理念には社会貢献が入っていることは当たり前になっている。

例えばトヨタの理念には「豊かな社会づくりに貢献」とあるし、パナソニックの理念には「より良いくらしを創造し、世界中の人々のしあわせと、社会の発展、そして地球の未来に貢献しつづけること」とある。

「世界最高の車を作って大儲けする」とか「最高の家電で給料世界一」とかじゃない。みんな、社会の人々の幸せを理念にあげる。

それは大会社の責任だから、とかではないと思うのね。

ではなんでなのか。

それは、会社人として人が幸せに生きるための役割を持つことや、それを果たそうと努力すること、成果を得ることが、結局自分を幸せにするからだと思うのね。
社会の幸せのために働くことこそが、結局自分が幸せになるために最も有効な手段だからこそ、大きな会社もみんなそれを理念に入れる。
仕事の成果と暮らしを分離してないのね。仕事の時間も、成果も、全部自分の幸せにつながるんだよ。それは賃金とは別の話し。

トヨタは良い車を作って売ることで、人の幸せを増やす。
パナソニックは良い家電を作って売ることで、人の幸せを増やす。
そういった会社が合わさった社会を創造していく。

介護も同じだと思うのね。

高齢者や障害がある方のケアを役割として、社会の幸せを増やす。自分たち以外の多くの人たちの努力と合わさって、良い社会を創造する。

そういった仕事の在り方こそが、社会人に対しての根本的な動機付けだと思うんだ。行く先は自分や大切な人たちの幸せだから。

それより下層の部分に、厳しい現実はたくさんある。
人が足りない。時間が足りない。安全、健康の縛りは強い。

でも、その厳しさのせいで目線が低くなって遠くを全く見なくなると、根本的な動機を忘れてしまう。
役割は職種や立場でいろいろ。でも、仕事の、社会人としての、根本的な動機は同じ。

社会のためにがんばらなきゃいけない、とかじゃないんだ。
前述したように、目の前の介護だけに目をこらすよりも、人の幸せのために、という根本の目的を見据えながら目の前のことを大事にしたほうが、自分が幸せになりやすいんだよ。

これは綺麗ごととか理想論じゃなくて、ものすごく現実論なんだ。
現実と理想は相反させずに、理想を実現するための現実論を歩まないと、仕事で楽しくなりにくいということ。
そんなことより給料を上げろって人も多いと思う。でも、それってあらゆる業界の人が言ってることで、1000回言ったって月給10万アップなんてない。
ぶら下げられるニンジンではなく、内発的な動機付けを考えないといけない。

うちの職場じゃとてもそんなことは考えられない、良いケアに割く人はいない、という現実は間違いなくたくさんある。全く否定しない。
なんとかできることをやろうと頑張って、無理そうなら転職でいいと思う。

でも、根本的な動機。「なんのため」の仕事なのか。仕事っていう自分の時間は何のためにあるのか。仕事(社会での役割)を持つ意味はなんなのか。
そういったことを見つめなおすだけで、自分の気持ちを持ちなおせる部分はあるから。

現実が厳しいのはどんな仕事でもどんな立場でも同じなんだよ。だから、目線を上げよう。
目の前だけじゃなく、遠くも見てみる。もしかしたら、動機付けのヒントが見つかるかもしれないよ。

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