見出し画像

介護事業所のマネジメントについてのお話し

今回の記事は、厚労省の補助事業として株式会社シルバーウッドが主催している「マネジメントスタンダードプログラム for kaigo」を受講中の私が、第4日目を終えて書いた感想をこちらに転記したものです。
ご理解の上お読みください。

****************************************

MSP-k4日目終了。
昨日に続いてマネジメントの理論とグループワーク。
実際に介護現場で起こっているようなケースに対して、原因や課題解決の方法を話し合いました。

例えば施設利用者の要望に対して、施設側の都合でそれを無視して勝手なサービスを提供してしまうケース(※研修ではより具体的なVR動画を見て行います)。

今日の感想を合わせた個人的な考えですが。
私は常々いろんな人に話していますが、集団が成果を出すためにはまずトップゴールの共有が必要です
これは会社だと法人理念がそれに当たると思います。
高齢者福祉事業だと、例えば「利用者本位の介護を提供する」とか「地域との共生」だとか、いろいろありますが、経営層から現場まで「そこをトップゴールにするんだ」という共有はとても大事だと考えています。
いくらダイバーシティの時代と言っても、目的がバラバラだと成果が出ません(バラバラが悪いことなのではなく、成果が出ない、ということです)。目的や価値観を揃えた上で、多様な発想や創意工夫で成果を上げることを目指さなければなりません。

前述した「利用者の要望に対して施設都合のみでサービスを決めてしまう」という事態について、なぜそうなってしまうのか?と考えると、やはりその施設の人員状況等に大きく影響を受けてしまう現実はあるのですが。
人員にある程度余裕があってすら、介護職の好みであったり、看護師の健康至上思考であったり、管理層のリスクへ対する過度な安全意識であったりと、個々の価値観を基準にサービスを決めてしまっていることは本当に多くあります。

これは、自分たちがどこを目指して仕事をしているのか見失っていることに起因しています。

日々のケアを第三者が見たときに、明らかにおかしいのではないかという課題が多く生まれているような状況があるときは、それに対して、一つのケースについての対応のみを話しても、良い解決に進むことは難しく、仮にその時に上手くいってもすぐにダメになってしまうことの方が多くあります。
上手くいかないことが多いときは、やはり原点へ立ち返る必要があるのです。

マネジャーが、全員とトップゴールを共有することを図りましょう。
そしてトップゴールが共有できたときに、それを現場の仕事に落とし込んでいくことも、マネジャーの大きな仕事になります
何をすれば「利用者本位の介護」になるのか。何をすれば「地域共生」なのか
目の前の人の要望とトップゴールは、実際になにをすれば結びつくのか。
それを中間層や現場に示していかなければなりません。
介護の課題はチームで解決を目指すのが基本です。
全員があらゆることのスペシャリストであることは不可能なので、トップゴールと現実の課題の間を埋めるべく、現場や中間層が対話する環境をつくったり、対話の指針を与えたり、サブゴールを設定したり、マネジャーの仕事は多岐に渡ります。
チームで成果を出そうとすれば、そのために必要なものは現場の人間からどんどん出てきます。
情報の共有。
判断の物差し。
必要な知識を得る環境。
各層が考える環境や材料を与えること。
実践のために必要な支援をすること。
そうやってチームで実践することで、ようやくその事業所なりのケアが見えてきます。
スケジュールで決まったタスクを処理することだけに慣れてしまった職場を、チームケアでmissionをクリアする働き方に変えるのは、本当に大変な道のりです。
でも、スケジュールでのタスク処理では良いケアはできませんし、変えるためにはまずより多くの良質なマネジャーが必要になります。
私も学びと実践を繰り返しながら能力を磨き、同時に時代や外を常に見ながら価値観や方法のアップデートを図っていきたいと思っています。
今日MSP-kを受けた人たち。今後も一緒に頑張りましょう🙂
本当におつかれさまでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?