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やぁやぁ詩人

しやぼん玉のやうな
見目だけ煌びやかな
薄汚れた浅ましさを
それでも貴方は、
一切を憚らずに仰るので
如何なものかと、
思う次第で御座います。

貴方の生涯を、
正に世界そのものを、
まるで木ッ端を
鉋にかけるが如く
すり減らして往くので
名声が故に削る程かと
思つては嘲笑つてゐるのです。

さても、私にや分かるまいと、
とは思い候えども、
ひやうふつと吹いてしまえば
泡沫のように消えるのに
不思議なもんもあるもんだと、
そう思うばかりで御座います。
人は皆、その球を見るのでなく
ともすれば吹く人を見ては、
私のやうに嘲笑つてゐるのじやないかと、
すら思うので御座います。

徒然ない与太話、
つらつらと並べ立てるのはこの口かと、
その指した先にいた、
化し狐といつたら無かった。
「そうだねぇ、えぇ。
詩的で途方もない道程を歩むより、
喜劇役者のが向いてるんじゃないかね、君。」
だなんて言つて、
実に笑いを堪えるのに難儀したものだ。

まあ、まあ
そう怒りなさんな。
何はともあれ——
その価値は、本当にあんたの人生を
露にし続ける価値があるのかと、
まあ御一考あれ。と。
そう云う訳で御座います。

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