泡夢
頭ン中に波そよぐ、
青海が…溢れているので
一、空気にすら脅かされうる私の視界で
境をどれだけ彷徨えようか。
頭ン中に波そよぐ、
そら、ひとさじ掬ってやらふ
まるで檸檬の果肉をこそぐように。
(この場合における私の思考を
波のようなものであるとしたならば)
(私という存在を精神としたならば)
(私は大きな私と小さな私に分離する)
どちらが真か、どちらが私か
はたまた意識を水とするのは愚かだらふか
頭ン中に波そよぐ、
…大きな…大きな…波と波…の
小さな隙間…に垣間見える…泡と泡
かつ消え、かつ結び、人の夢のごとき様
(あれは私の泡だ。)
(これは君の泡だ。)
(いくつかの泡が海岸に流れ着くが
その全てはやがて消えてしまう)
頭ン中に波そよぐ、
これは…ただの一夜の夢の夢。
頭ン中に波そよぐ、
(世の理を一巡したら、
またこの海岸に流れ着く)
(私も揺れている)
(泡に振り回されながら)
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