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「仕事を変えることが出来なければならない」というドラッカーの教え

私は来月(2月)、64歳になります。

3年前に会社勤めを卒業し、今はエグゼクティブコーチングと経営支援コンサルを個人事業主として生業としています。

この仕事は、勉強し続けることがとても重要なファクターとなるので、読書や学習好きの私にはとても快適な仕事です。

豊富なインプットと快活なコミュニケーションと若さが維持できて、健康でさえいられればれば、いくつになっても仕事を続けられると考えています。

「知識労働者は、雇われている時間よりも、結果として長生きする」

「明日を支配するもの」ダイヤモンド社:P.F.ドラッカー著

ドラッカーは先進国の知識労働者の寿命が延びている以上、いつまでも雇われた状態でいるわけにはいかないため、「自らをマネジメントせよ」と教えています。

現在、日本人の平均寿命は80代になっていて、健康であればパートタイムであったにしても75歳くらいまでは働くことができます。

つまり労働寿命は50年に及ぶ計算になります。

一方で、企業をはじめ所属する組織の平均寿命は30年そこそこです。
ましてや今日のような激動の時代においては、30年間も同じ組織体、同じ企業体が存続し続けることはある意味、至難の業です。

私のまわりにも、大卒後に大企業系列の企業に就職し、その後、親会社の方針で何度も事業転換や合併、分社を繰り返し、外資に売却され、50歳を過ぎてから英語が社内で必須となり、初めて英会話を習い始め、それまで経験してこなかった外資流のマネジメント(ごく普通の目標管理で、私から見るとそれまでがぬるま湯であっただけ)のなかで辛そうににしていた友人がいました。

このように、たとえ企業が存続したとしても、その構造、活動、知識、要員は、好むと好まざるとにかかわらず変化せざるを得ません。

「したがってこれからは、組織で働く人たち、とくに知識労働者たるものは、自分の組織より長生きする。(ということは)仕事を変えることができなければならなくなる。キャリアを変えなければならなくなる。」

「明日を支配するもの」ダイヤモンド社:P.F.ドラッカー著 ( )は私の注釈

そのためにすべての働く人たちが、自らをマネジメントし、企業に依存し過ぎることなく自律していなければならないと教えています。

自分の過去の仕事ぶりを顧みて、自分自身の強みや仕事の進め方の好みや特徴、そしてそもそも持っている価値観などを理解したうえで、次のことをすべきだとドラッカーは言っています。

1.強みに集中すること

2.その強みをさらに伸ばすこと

3.知的な傲慢を正すこと
  自分の専門以外の知識を軽視することなく、自らの強みを十分に発揮す 
  るうえで必要な技能と知識を常に身につける努力をすること

4.自らの悪癖を改めること 
  成果をあげることの妨げになっていることをやめなさい

5.コミュニケーションを重視すること

6.行ってはならないことは行わないこと
  出来ない仕事は引き受けないこと

7.弱点の能力向上のために無駄な時間を費やさないこと
  無能を並にするためには、一流を超一流にするよりも、はるかに多くの 
  エネルギーを必要とする。そんな時間があるのなら、強みをもとにスタ
  ーを生み出せ

ここに書いたことは、すべて当たり前のことだと思われますが、問題は誰か別人に言っている話ではなく、自分自身に対してこうした約束ができることが大切です。

そのための前段として、まずは自分を知る努力をすべきで、しかるのちに自分をマネジメントすることだというドラッカーの教えです。

会社勤めを終えようと思ったときに、私が真っ先に考えたことは、「これからは人に雇われるのはやめよう」ということでした。

自分が仕事をやめる時を、人に決められたくないと思ったからです。

人生は自分が今考えているよりもはるかに長そうです。

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