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On Your Mark...


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いちについて

よーい

どん

幼少の頃はよく走った。

何故か友達と走ったりするのは楽しかったのを覚えている。

自分が負けたとしても、友達がまた走り出したらそれを追っかけて走り出して、追い抜いたり抜き返されたり、ねずみを追いかける猫みたいに動くものに反応していた。

今となっては近所を気分転換の為にランニングがてら走るだけ

そんな私も高校時代には陸上競技をしていた。

陸上競技はよく個人競技と言われることが多いがリレーについては勝手が少し違ってくる。

一走から四走までの走者がバトンをロスなく阿吽の呼吸で繋いでいかなければならないチーム戦なのだ。

そんなリレーの中でも私が好きだったのはマイルリレーだった。4人で400mずつリレーしながら走り、その時間を競う陸上競技。

第一走者のみがセパレートレーンで走って、第二走者が第二コーナーを回ってからはオープンレーンとなる為、選手同士の接触や接触によってバトンを落としちゃったり、また競り合いによる激しい肉弾戦も時として展開される。走力も重要だけど、二走から三走、三走からアンカーへのバトンパスは、接戦であればあるほどバトンパスの重要性が増して来る。

なぜなら走り終えた選手とバトンを受けて走り出す選手で混雑してタイムロスしてしまう可能性があり、勝負の行方を左右するからだ。なおかつ距離も長いので割と順位の変動が起こり易くて見ててもやってても楽しい。

個々の走力も必要なのはもちろんのこと、どういう特性を4人が持ち合わせていて、長所短所を踏まえた上で第一走から第四走のどこに誰を配置するのかという戦略も重要になってくる。

当時の私は第二走だった。

わたしたちのチームの戦略では、

第一走者に初速はダントツだけどバトンを受け取るのが苦手で走りにムラが少しあるアイ。

第二走者に私、私は特筆するところはないんだけれど笑

ちょい加速向きだったし第二走の途中までがセパレートレーンの為、個人で走れるうちに他のチームとの差を稼いでおいて後の展開を有利にという感じ。

第三走にバトンの受けも渡しも上手で混戦にも慣れていて安定的な走力を発揮するケイ。

最後に中距離が得意なナナでスピードを落とさず逃げ切るという布陣。

優勝は無理だったけれど、上位に食い込めた時は皆でそれを喜んだ。

今となっては良い思い出のひとつとして胸の中にしまっているだけだけれど、

確実に昔のわたしから、今の私にバトンは巡ってきている。

今年から陸上部の顧問を任された。

何か新しいことを始められそうな気がする。

新しい一歩。

勝手に鼓動が高鳴っていく。

ーOn Your Mark…

どこかからそんな声が聞こえた。


おわり

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