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【CANNONDALE】ヴィンテージMTBについて調べる方法が判明したので下処理&梱包開始!■2024年01月20日更新

広島県広島市にある『動く自転車屋』『自転車の便利屋』サイクルサービストグトのnoteをご覧いただきありがとうございます。

『快適長持ち系自転車安全整備士』ノーリー(店長)です。
バラシ・プレミアム通信!SM400(?)タイムボックス・プロジェクト③ということで、バラシ・プレミアム通信!SM400(?)タイムボックス・プロジェクト②の続きを書いていきます。


■キャノンデールのヴィンテージバイクについて調べる方法

ご依頼いただいたユーザーさんからのナイス・パスにより、年式は特定できました。

↑のサイトに【CANONDALE】(キャノンデール)のヴィンテージバイクの年式を調べる方法が載っていたのでシェアします。
フレームナンバーを確認してみると、今回の車体は1989年式だと確定しました。

さらに組み付けられていた部品を当時のカタログと照らし合わせることで、車種(というかグレード)を絞ることができます。
今回ご依頼いただいたユーザーさんもレストア済みの中古で購入していたため、発売当時のアッセンブルと全く同じだったとは限りません。
また、カタログに掲載されているアッセンブルが、実際に発売されたものとは異なる場合もあります。
『仕様は予告なく変更する場合があります』ってやつですね。
とは言え、現代よりはカタログの情報の確度は高いと思います。
前回のコンテンツでバラしたパーツを照らし合わせると、いくつか該当するものが見つかりました。

現代のロードバイク事情とは違い、当時のマウンテンバイク事情を考慮すると、変速段数が少ない車体を購入したあとで、そのフレームを使ったまま変速段数を増やすという方法は主流ではありませんでした。
ましてやあえて変速段数を少なくするということは考えにくいです。
今回の車体はリア6速なので、選択肢が絞られます。
次に破損交換頻度が低いであろうクランクセットに着目してみました。
すると、【SUGINO】(スギノ)のクランクがアッセンブルされているのはSM400だけだということがわかります。
加えてホイール(リム)もリアギアもドンピシャ。
当時のカタログ上でのスペックと現物のアッセンブルが異なる部分もあるため断言はできません。
ましてやすでに他店様にてレストア歴もある車体です。
しかし高確率で、おそらく今回の車体はSM400(1989年式)でしょう。

■完成車箱、ゲットだぜ!

繰り返しになりますが、当店では今のところ、【CANNONDALE】(キャノンデール)の取り扱いはありません。
ゆえに【CANNONDALE】(キャノンデール)のハコは本来なら手に入るハズが無いわけです。
が!

私の前職場である自転車店から、運よく【CANNONDALE】(キャノンデール)の完成車箱をいただくことができました。
どうしても【CANNONDALE】(キャノンデール)の自転車が欲しいという人には、そちらをご紹介します。
元同僚に感謝!
これでますますユーザーさんに喜んでいただけるでしょう。
私も嬉しいです。

■フレームとフォークの下処理から梱包まで

外せる部品を徹底的に外してみると各部の汚れもわかりやすくなります。

キズがあるのは仕方がありません。

駆動側のチェーンステーはプロテクターとともに塗膜が剥がれてしましました。
それだけ、塗装も耐用限界を迎えていたということでもあります。

外せるものを外したらフレームもしっかり洗浄します。

ここからフレームへの下処理です。

ケーブルガイド固定用の雌ネジを切り直しました。
ネジ規格はM4×0.75です。

ボトルケージ台座も雌ネジ切り直し。
ネジ規格はM5×0.8です。

キャリアダボも雌ネジ切り直し。
ネジ規格はM5×0.8です。

リアエンド側のダボも雌ネジ切り直し。
ネジ規格はM5×0.8です。

リアディレイラー(リアメカ)ハンガーの雌ネジ切り直し。
ネジ規格はM10×1.0です。

フロントフォークのエンド部分の雌ネジ切り直し。
ネジ規格はM5×0.8です。

ブレーキスタッドのブレーキ本体固定ボルト側も雌ネジ切り直し。
ネジ規格はM6×1.0です。

ボトムブラケット(BB)シェルはJIS 68mmタイプです。
もちろんフェイシングとネジの切り直しもしておきました。

切り直した面はアルミらしい色も蘇りました。
各ネジの下処理を済ませたら、再びフレームとフォークを徹底洗浄です。

フォークとフレームの洗浄とネジの切り直しと徹底洗浄が済んだので、ガラス系コーティングを施工しました。

リアブレーキとフレームを繋ぐスタッドボルト受けのネジ規格はM8×1.5でした。
現代の主流はピッチが1.0か1.25のハズなので、レア規格です。

雌ネジを保護するためにグリススプレーでコーティングしておきました。

リアディレイラー側の、リアシフトアウターケーブル受けはまさかの脱着式でした。
ネジ規格はM3×0.8です。
レアパーツなのでグリスでネジを保護します。

現代ではカーボン製のフレームでしかこういう構造は見かけなくなりましたね。
ちなみにリアエンド幅となるOLD(オーバーロックナット寸法)規格は130mmで、ハブ固定はQR(クイックリリース)またはナット止めとなります。

雄ネジにグリスを塗布したら、各雌ネジにグリスでコーティングしていきます。

ボトルケージ台座はもちろん、キャリアダボにも抜かりはありません。

リアディレイラーハンガーも同様です。

ヘッドパーツを圧入する部分なので、ヘッドチューブにもグリスコーティングをしておきました。
ちなみにヘッドの規格はノーマルサイズですが、JISではなくISO(イングリッシュまたはイタリアン)です。
ヘッドチューブの内径がISはΦ30mmでISOはΦ30.2mmと、0.2mm異なります。
フロントフォークは1インチ(コラム外径Φ25.4mm)のイタリアン(クラウンレース外径Φ26.4mm)が適合するので、フロントフォークを他のものにする場合は注意が必要です。
余談ですが、一般軽快車(ママチャリ等)はJIS規格を採用しています。

せっかく切り直したBBシェルも忘れずに。
フレームが済んだらフロントフォークにも下処理をします。

雄ネジにグリスを塗布して、そのままねじ込むことで雌ネジを保護する方法は、長期保存において有効な手段です。
車体として組み付ける場合はそれぞれに合った下処理をしなければなりません。

フロントフォークのスタッドボルト(Vブレーキ台座及びカンチブレーキ台座)は鉄素材です。
グリス直塗りで油膜を張り、それでサビ防止効果を狙います。

ちなみにフロントフォークエンドのOLDは100mmで、ハブ固定方式はQRまたはナット止めです。

フォークコラム(特にクラウンレース)もかなりの錆び具合でしたが、ここまでサビを落とせました。
前述した通り、クラウンレース外径Φ26.4mmなので、このフォークの規格はノーマル(コラム外径Φ25.4mm)ISOです。

納得できるまでサビを落としたので、コラム外周にはサビ防止目的でグリスを塗りたくります。
特にネジ部分はツールを使って刷り込むように。

コラム内部はウエスを使ってグリスで油膜を張ります。
ここまでやってもサビは生じますが、かなり遅らせることならできるでしょう。

これ以降は無駄にキズが入らないよう、しっかりと保護します。

フレームもフォークもバッチリです。

下処理が済んだらこうして箱にいれていきます。
ミニ四駆とかプラモデルを連想する人も多いのではないでしょうか。
今回はここまでです。

バラシ・プレミアム通信!SM400(?)タイムボックス・プロジェクト④に続きます!

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