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母親「家も道も狭い東京での子育てに限界」Twitterにみる、憧れと現実の間でゆれる国内移住のリアル

東京で暮らす人が地方での生活に憧れ移住したものの、うまくいかず撤退…という話は枚挙に暇がありません。東京にも地方にもそれぞれの良さがありますが、移住することについてTwitter上ではどのような声が挙がっているのでしょうか。

ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)がお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」、今回は「東京暮らしと地方暮らし」にまつわる話題を掘り下げます。

「人が多すぎる東京での子育てに限界」母親の思い

東京で暮らす人たちの中には子育てや職場のリモートワーク化をきっかけに、地方への移住を検討しはじめる人もいるようです。そんな中、Twitterでは都内で幼児期の子どもを育てているという母親が投稿した「東京での子育てに限界を感じ始めた」というツイートが話題に。

二児の母である投稿者は東京のよさを知ったうえで暮らし始めたものの、育児が始まってからは考え方が変わり「家も道も街も狭くて、なにより人が多すぎる」「子どもたちの幼少期にどんな景色を残してあげたいかと考えるようになった」のだそう。

母親のツイートに対し、Twitterユーザーからのさまざまな反応の中には「田舎育ちの私たちからしたら逆の感想」という声が。「都会では子どもの選択肢は増える」「人間関係が楽」「親の近くや自分の故郷以外への移住はかなり大変」など、東京で子育てをするメリットを語るツイートが集まっていました。発信したのは意外にも「田舎出身です」と名乗るユーザーたちからのものでした。

もちろん、地方暮らしのメリットを語る声もあります。東京のほか、神奈川など複数の地方都市に住んだ経験があるTwitterユーザーが「静岡県が最高」と感じたという持論を投稿。

静岡県は東京や神奈川、長野や愛知などさまざまな都市に出やすい立地であること、御殿場プレミアム・アウトレットといった大型施設などもあり買い物がしやすいことなどを挙げています。

東京は何かと便利な環境が整ってはいますが、地方暮らしが必ずしも不便とは言いきれません。これらのエピソードからは、生活に何を求めているかによって感じ方が違うことや、生活上の選択肢がどれだけ多いかが移住先を選ぶときのポイントになっていることがわかります。

「便利な田舎」を望んでいただけと気づいた話

生活上の選択肢が多いことを求める感覚は他の国の人でも同じように持っているようです。

ソウル出身で日本の学校に留学中のTwitterユーザーは、日本のアニメを見ていて「日本の田舎に住んでみたい」と憧れを抱いていたそう。しかし日本での旅行を幾度か楽しんできたなかで「田舎が好きなのではなく、いつでも都会に行ける『便利な田舎』を望んでいただけだった」と気づいたといいます。

留学生のツイートには日本人Twitterユーザーからも「私もよくそう思う」「要するに田舎の雰囲気に憧れているだけなんだよね」「旅行で行きたい場所と、住みたい場所はまるで違う」と肯定的な感想が多数集まりました。

ところが「日本人にとっての田舎」に抱くイメージは人によって違いがあるようです。Twitterでは「県庁所在地であるか」「電車とバスが日常的に運行しているか」などといった条件を「田舎レベル」とユーモアを込めて語ったツイートも話題に。

「田舎レベル」は起点となったツイートを投稿したユーザーが設定。「Lv.4 マイカー文化で大型イオンまで60分圏内」「Lv.5 電車もバスもイオンも無く、車がないと生活不可」というレベルづけに異論を唱える声も集まり、自身が住んでいる土地の「田舎ぶり」について語り合う様子が見られました。

地方出身者が抱く「東京に出ること」への思い

では、地方から東京に出てくる人はどのような思いを持っているのでしょうか。その思いが垣間見えるエピソードの一例を紹介します。

進学や就職などをきっかけに地方から上京する際、出身の地域によっても東京を目指す理由に意識の差があるようです。

熊本県出身のTwitterユーザーは、青森県出身の妻と話していた時に「東京へ出ることへの価値観がまったく違っていた」ことを知ったとツイート。

熊本出身のTwitterユーザーは、移住するなら東京だけでなく、福岡や広島などの地方都市も選択肢に挙がると考えていましたが、青森県出身の妻にとっては「東京に出ていけないならどうにもならない」という考えがあるのだそう。

このツイートに反応したのはやはり北日本出身のTwitterユーザー。北日本の人たちが、より近いはずの仙台や北海道ではなく東京を選ぶ理由は「経済規模と移動距離」にあり、そのため多くの人が漠然と「東京に行くしかない」と考えるのだそうです。

このように「田舎」への憧れを抱いて移住を考える人と「東京しか選択肢がない」と考えている人との意識の差がTwitterではリアルに語られています。

どこに移住したいと思うかは自由ですが、行き先に対する勝手な期待は禁物です。自分がどんな生活スタイルを望んでいるのかを整理したうえで、移住先について情報収集をしっかり行うことが大事なのではないでしょうか。

以上「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」でした。

この連載は毎週月曜日に更新中。これからもTwitterから見えた興味深いトピックを解説していきます。
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