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私選 #紅茶のある風景 +パルプ小説#1

「こ、CORONA……CORONAを……く…れ……」
「…俺の、水で良かったら…飲むか?」
「…止めておけ、どうせそいつは…死ぬ。最後までCORONAの夢を見たままにして置いてやれ…」
「……CORONAっ!!あぁ……なんて甘露な…ジュース……」
また一人の男が母なる大地へと還った。
彼は最後までCORONAをジュースだと思い込み、死んで逝った。
その死に顔は安らかだった…。

MEXICOでの戦いは約半月続いた。
CORONAと栄光を手にした者も居る。
だが9割以上のパルプスリンガー達はCORONAそのモノを知ること無く、未だにこの荒野を亡者めいて彷徨っていた。
まだ何処かに何かが“有る”んじゃないか、と。

「…ッ!?お、おーい!! おーい!!」
先行して丘を登って居た者が叫んだ!
「…ちゃっ…茶だ!紅茶だ!!紅茶があるぞ!!しかも賞金もだ!!…フフ、フ……アーッハハハハハハハッッッ!!」
先行してた者は気でも狂ったのだろうか?

「「「…フフ、フ、フフッ……アーッハハハハハハハハッッッ!!!」」」
笑いは男達に伝播した!!コワイ!!

男達の目の色が変わった。
先程まで元の新兵めいて自信の喪失していた瞳は、何時しかあの太陽照り付けるMEXICOの荒野を生き抜いたパルプスリンガーのソレに変わっていた。
彼らはいつしか書く為の戦場を求める“ライトモンガー”へと変貌していたのだ!!

戦いの火蓋が、再び切って落とされた…!!

◆◆◆

また前置きが長くなった。悪い癖だ。

よく来たな。
俺は逆噴射小説大賞の勢いのまま、書く事の“辞めどきがつかめない”に成ったとう腐という。

いまnoteでは、

入選された方には、賞金と午後の紅茶 ストレートティー 1ケース(500mlペットボトル×24本)をお贈りいたします。

という逆噴射小説大賞のCORONAに匹敵する水分を得る事が出来るコンテスト、 #紅茶のある風景 をやっている。

ざっと見た感じパルプでこのコンテストに臨む者は数日前まで居なかった…。だが何時しか血の匂いを嗅ぎつけたコヨーテの様に、一人又一人、とパルプスリンガー達が紅茶と賞金に釣られて集まりだして来た。

紅茶+パルプ…それは新境地(ニューフロンティア)

だが #紅茶のある風景 もなかなかの投稿数を誇るコンテストだけに、パルプを探しマウスをスクロールさせるのは億劫だ。
そこで“こいつはヤバい”という紅茶パルプを書いて居る奴をピックアップした、という寸法だ。(以下敬称略)

◆◆◆

紅茶官能小説/ゆめくらげ

どんな作品が投稿されて居るのだろう…と思いチェックをしていると我が目を疑った。紛れもなく、あの“相撲”のゆめくらげ氏では無いか!!
なんて美しく艶やかな文なんだ…と物語に魅入られると同時に、普通の意識高いnote読者が読んだ場合彼らのヘルシーが失われるのでは無いだろうか?と心配になった事は言うまでも無い。

◆◆◆

紅茶のある風景。/太間雷角斉

普通に他の投稿作の“色”に溶け込んだ物語の出足に驚いた。
完全に意識高く擬態したオフィスパルプだ。
極限からのスラプスティックそしてバイオレンスが丁年に描かれている。
オチの喜劇的で悲劇的な雰囲気も完璧だ。

◆◆◆

熱血紅茶闘士 午後野丁太郎/あのときのとき

いきなり度肝を抜かれた!
これには流石のスポンサー=サンも怒りが有頂天!では無いかと。
だが氏は完璧なリカバリーで商品への理解、商品のセールスポイント、そして一人一人に宿る紅茶愛へとその罪を転嫁した。
私は度胸とスポンサーへの配慮、ラブ、リスペクト…そしてラブの精神を思い出した。

◆◆◆

力紅茶/へるま

力士そして力水。
力水は只の水では無い。その芳醇な紅茶の香り、渋みは力士の力の源だ。
一瞬の立ち合いに掛ける力人たちと喫茶の妙が此処に有る。
誰よりも早く、紅茶+相撲の王道を貫いて来た氏に拍手を。

◆◆◆

マッド・ティーパーティー・オブ・ザ・デッド/三宅つの

パニックムービー的側面をこなしながらもスポンサーへのフォローも忘れない、抜け目の無い作りに感心した。
茶葉の香り漂うゾンビパニック、舞台も英国ロンドンと余りにも完璧なマッチングに脱帽だ。
当然ゾンビパニックモノとしての約束、人の愚かさも描かれていて完璧だ。

◆◆◆

茶修羅/とう腐

拙作。長めだが大半は用語解説とキャラクター紹介である。

◆◆◆


【以上です】
また作品が増えてきたら(追えるうちに)紹介したいと思います。

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