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台湾のマンションにキッチンなんてないよ

台湾の友達と話していた時、日本人はどこで朝ごはんを食べるんだ?という話になった。どこで「where」と何「what」を間違えたのかと思った。

自室かリビングかみたいなそういう話でもなかった。

そういえば、セントビンセントに来て間もない頃、別の台湾人から、こっちは「朝ごはんを食べるところがないから気を付けないといけないよ」と言われたっけ。

その時は、あー、君たちは外食文化だものなとしか思ってなくて、朝も外で食べるんだーへぇーくらいにしか思ってなかったんだけど、今日はもうちょっと踏み込んだ話になりそうだった。

ぼくの場合、日本にいたとき朝は会社近くのスタバ的なカフェに行っていた。通勤ラッシュを避けたかったのと、本を読んだり勉強する時間をとりたかったからだ。

実家だと朝はみそ汁と、ご飯、おかずだった。うちは朝しっかり食べる方だったからけっこう量があると思う。父が土建屋だからカロリーが多めなんだと思う(あるいは、ぼくがずっと野球をやっていたからその時の名残りなのかも)。朝はトーストとコーヒー的な家庭もあるんだろうと思う。

とにかく、一般的には外で朝食は食べない。

― やっぱりそうだよね。前に京都に旅行に行ったときに、外に朝食を食べにいったんだけど、どこもなかったんだよね。あれは困った。ホテルにも朝食サービスなかったし。みんなどこで食べてるんだろうって不思議だったんだよ。結局ぼくらはローソンで食べ物を買ったんだけど。

(本筋からはそれるけど、ちょっとビジネスチャンスを感じてしまった。台湾からの訪日観光客は年間470万人(2018年)ほど。それだけの人が朝食に難儀しているなら、けっこう良いマーケットじゃね?仮に香港とか中国の人も朝は外で食べるなら市場規模大きくね?って)

旅行先での朝食はたしかにぼくも困る。日本に限らず。

― というかね、台湾のマンションってキッチンついてないからね。電子レンジもないよ。置けないから、電圧強くて。簡易冷蔵庫くらい。だからみんな料理しないし、知らないんだよ。

彼がいうには、最近のマンションは特にキッチンはついてないのだそうだ。そもそも部屋が狭いから備え付けられないという事情もあるそうだけど、だいたい6畳一間くらいのワンルーム、トイレとシャワー。以上。

少なくとも台北でキッチン付きのマンションは存在しないようだ。(もちろんファミリー向けの3LDK的な間取りのマンションならキッチンはついてる。)

それでも家賃は結構高いらしい。

なんかこっちに来てる台湾人の料理のぎこちなさの理由が分かった気がする。そもそも自分で料理したことなかったのだ。

なんか台湾のローカル向けの飲食店が安くて、24時間なにかしら食べられる理由がわかった気がした。家で料理しない外食文化だからマーケットが大きいんだなと。回転率が高いのかと。

台湾で仕事してたとき、ローカル向けの小汚い店のオーナーは儲かってなさそうにみえて、実はめっちゃ儲かっててベンツとか高級外車乗ってるって聞いたことある。

ぼくがそういう店舗の前を通る時って言うのは、だいたい朝のピークタイムが終わってたりと食事時以外だったから儲かってなさそうに見えたのかと。儲かってるから外装にお金かけて客寄せする必要ないのかと。合理的だなと。

いわゆるホワイトカラー、ブルーカラーの人たちは家庭で料理をしないで、外食というかたちで外注して、自分がすべきこと、自分が得意なことに集中するってことか。合理的だ。

料理って準備と片付け含めけっこう時間取るからぼくも結構いやなんだよな。

不動産屋もどうせみんな外食ばっかりなんだからキッチンなんていらんだろって余計なコストを削ったってことか。合理的だ。

なんてことを思ってたんだけど、当の台湾人たちによると、やっぱりキッチンは欲しいらしい。実際に使うか使わないかは別にして。北京とか東京のドラマなんかと見てると、みんな広い部屋に住んでて単純に羨ましいし、惨めになるんだそうだ。

北京はどうかはしらないけれど、東京の場合、ドラマにでるような広いマンションに住もうと思ったら、少なくとも家賃12~13万円はするだろうから、それを払える余裕ある人って結構限られると思う。

同じように7~8畳くらいのワンルームで、簡易キッチンが付きのマンションに住んでる人が多いんじゃないかと思う。

そういう話をすると彼は「あぁ、なんか今すっごい救われた気がした。」と安心していた。

ちなみに、そういう住宅事情だから台湾でもルームシェアは人気なんだそうだ。

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