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次の職場は神戸です!

来月からベンチャーとか起業支援の仕事を神戸ですることになりました。

概要

詳しくは上記の神戸市のウェブサイトをチェックしてほしいのですが、スタートアップのエコシステムやイノベーション拠点を作ろうっていう官民連携プロジェクトの末席に加わることになります。フレックスでリモート可でかなり自由度の高くて、どのレベルで関われるのかはまだわかりませんが海外展開支援や他の自治体の起業支援政策策定支援なんてのもあり結構いろいろ経験を積めそうだと楽しみにしています。

本番前のリハーサル

先日、主宰してるSDGs系のスタートアップのピッチイベントを入所前に裏方として見学させてもらいましたが、視野が広がりました。これまでTwitterで流れてくるソフトウェア系のスタートアップしか見てなかったなとか。ぼくはイベント運営の人ではないけれど、こうやって交流を促すのかとか、コミュニティ作ってくのかとたかだか1日だけれど、座学ではない起業支援実務の一端を垣間見れて勉強になりました。

プロジェクトにはLSE出身の元JICAや協力隊OV、元VCの人たちもいて互いに親近感を持てたり、神戸はほぼ地元ということもあり、関連領域で働く共通の友人や知人がいたりとこれまでの積み重ねが役立ちそうな、役立ってそうな雰囲気もあります。

あれ?開発の仕事は?とか海外で働くんじゃないんですか?とかこれまでのぼくの経歴 (青年海外協力隊、イギリス開発大学院…) だと思うんですけど、ぼく自身留学行く前はまたどっか途上国の現場で働くんだろうと思ってたんだけれど、いろんな事情があって気づいたら神戸にいました。学生時代ぶりにもどってきました。ぼくは神戸がこれまで住んだ中で一番好きな街なので素直にうれしいです。

出前講座つながりで母校ではない大学の講義のお手伝いをさせてもらえそうでもあり、ぼく個人としての仕事の幅も広がりそうで幸先も良さそうです。あと、働き方がわりと自由度が高いというのもあり、行政書士事務所開業のチャンスじゃないかと機会をうかがっていたりもします。

ぼくの課題意識

ぼくは協力隊で活動してた時から「雇用」に興味がありました。ただでさえ不況期では企業は生き残るために効率化だとかコスト削減、経営のスリム化なんかをやります。これは要するにヒューマンエラーをなくす、人員を削減するという話になる。そしてこれまで雇用の受け皿といえば工場だったわけですが、これもより少ない人数でより多くのものを作れるようになっています。ILOだかOECDのデータだとコロナ禍で工場の機械化、省人化が進み、このトレンドはコロナが終わっても (引き続き機械化に投資する) 続くそう。いろんな事情で労働人口は増えていくのに、それに伴って雇用も増えているのか?という疑問があります。この傾向は富の固定化であったり格差拡大につながるのではないかと。

(ぼく個人としてもDXで省人化して効率化していく社会の中で自分は将来どんな仕事をするのだろう?十分な収入を得ることができるのだろうかという疑問と漠然とした不安があるわけです。)

これはセントビンセントにいたときも感じていたことではありました。自動車整備の専門学校に行っても卒業後に整備工場で働くことができるのはごくごくわずか。せっかく高等教育や専門教育を受けても社会の側に雇用という受け皿がないとなんのために教育に投資して勉強したんだという話になります。

そんなわけで、ぼくは民間セクター支援という切り口からいろいろ勉強してみようと思ってイギリスへ渡ったわけです。仕事がないと日々の生活費が稼げないわけで、その日々の経済活動が税金のベースになって公共サービスは提供されているわけですから。それで、イギリスで明確に答えをみつけたわけではないですが、社会に仕事がないなら自分でつくるしかないと。つまりは起業支援だと思ったわけです。

これはつまりはベンチャービジネスに挑戦する機会追求型ではなく、雇用機会がなければ自分で創業すればいいじゃないのという所得追求型といったりするわけですが、前者の方もベンチャーの新しいビジネスモデルやサービス、商品によって業界の新陳代謝を促すという役割があります。格差是正につながるのではと。

この領域でキャリアを積んでいきたいと思ったわけです。ぼくはいろんなことに興味があるので、いろんなビジネスモデルを見れるであろうこの分野は向いているし楽しいだろうと。

それなりの葛藤

で、ぼくはそういうベンチャー支援の仕事を途上国でやりたいなと漠然と思っていました。けれど経験がないわけです。求人もあまりありませんでした。

とりあえず途上国の関連分野で働いて、いつくるかわからないスタートアップ支援に就く機会を伺うべきか?とか考えてみたんですが、結局スタートアップ支援の経験を積めるわけではないから機会を見つけてもポストをゲットすることはないだろうなとか、協力隊時代にテロで帰国する同期をみたり、コロナでの一斉帰国を経験している身としては予測不能の事態でキャリアが止まるリスクとか、調整業務で忙殺されて専門性なんてつかないだろうなとか、調整力だけ培っても量産型にしかなれなくて人材として競争力なくね?とか、そもそも海外で働くのが目的だっけ?とかぐるぐるしました。

さて、どうしたものかなぁと思っていたところに今のポストを見つけたというわけです。

途上国含む、世界で起こっていることは日本でも起こっているし、日本で起こっていることも世界で起こっています。つまりはどこも似たような課題はあるわけで、よくよく考えると世間体とか承認欲求以外で海外で働きたい理由はなかったですし、カリブ、イギリスと来てどっかアジアに戻りたいとはずっと思っていて、日本もそのアジアであるし、現場で働きたいというのもあったし、未経験分野では easy win firstで着実に経験を積んで専門性ありますといえる実績を作ってくのがいいんだけどなとも思っていたので日本というのは地の利もあるし、「日本はもうダメだ」なんていう否定的な言説をかれこれ30年ほど聞かされ続けてうんざりしているのもあり、(貢献できれば) 日本のためにもなるし、いいんじゃないか、いまある選択肢の中でベストじゃないかと思ったわけです。日本の課題と正面から向き合うときが来たなと。

MOOCでコーポレートファイナンスの勉強始めたのもこの仕事をして、これからこのあたりを専門としたいと思ったからでもあります。

東京ではないのもいいなと思いました。ヒト、モノ、カネが一番集まる場所でないということは、いろんな工夫が必要なわけで、それは途上国でヒト、モノ、カネで苦労した身として、それらの資源があるのが当たり前ではないという前提で政策支援などができるわけで、他の自治体へのコンサルをする場合でも役立つだろうと。

そしてイベントに1日裏方で参加しただけだけれど、この仕事はぼくのこれまでのてんでばらばらだった経験をつなげる connecting dots な仕事になるんじゃないかと思い始めてもいます。

東京では化学メーカーという伝統的産業でスーツ着て仕事し、カリブで公務員のような身分で働き、今度は神戸で私服でスタートアップのように働く。また環境ががらりと変わる。

そんなわけで神戸でスタートアップ支援編、始まります。

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