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今月読んだ本/2020.7

8月も中旬になり、今さら感あるけれど、7月に読んだ本。アップし忘れてた…。だから正確には先月読んだ本、ということになるんだけど、毎月のことながら良い読書ができたと思う。欲を言えば、もっと量を読みたい…。

・沖縄から貧困がなくならない本当の理由

今月、というか先月はなんといってもこれ。本州に住んでると、よく「いやぁー沖縄でのんびり生活したいわー」なんて日本における南の島(≒理想郷)みたいなことを考えなしに言っちゃうんだけど、大学進学率、自殺率やいじめ、教員の鬱の問題などあらゆる指標で全国ワーストレベルにある。

国から補助金がバンバン投入されているのになかなか改善されていない。それはどうしてなのか?に迫る本。

コミュニティ開発とか地域活性化に興味ある人は読んだ方がよいと思う。盲点だった。そのパターンもあるのかという衝撃。後半は、具体的な効果的な対策アプローチに愛について語り始めてて、おや?と思うけれど、食べログ1位になったカフェオーナーで元コンサルの著者の「ゆっくり、いそげ-カフェからはじめる人を手段化しない経済-」と通じるものがある。

良い。

・人は悪魔に熱狂する 悪と欲望の行動経済学

ポピュラーサイエンスのダン・アリエリー著「予想どおりに不合理」をより親しみやすく最近の日本の事例を引いてきて、より噛み砕いてビジネスよりにしてくれた本。

基本は行動経済学で、人間にはこんなバイアスがありますよ、○○の事例では△△の性質をうまく(意識的にか無意識的にか)利用してるんですね、という感じで、学問上の概念と実際のビジネスの現場であってり社会で起こってることをリンクさせてコンパクトにまとまっていて、テンポも良いし、とっつきやすい。よく聞かれる「インサイトってなんですか?」も本書を読めば理解が深まると思う。


・旅のラゴス

読んだ印象はSFなんだけどリアリスティックなパウロ・コエーリョのアルケミスト。文明が一度滅んだ世界で、ある目的を持って辺境を旅する話。生まれ故郷に戻るのに20~30年かかっていたり、旅の途中で奴隷に身を落としたりもして、客観的に見たり、文字に落としたりすると悲惨なんだけれど、よくよく中身をみると、なんだかんだで良い生活をしていたり、つまりは苦しい生活だけではなかったりして、そこが妙にリアル。言葉にすると悲惨なんだが実際に経験した自分としてはそこまで大変でもないというか。

大量の本を読んだわたしは若い頃よりも空想的でありながら、その一方では若い頃よりも現実家になっていた

という一節が素敵。

訪れる土地、土地で自分の知見を落としていくのもなんか協力隊の活動とか、よく言われる帰国後の社会還元とかいろいろ自分の境遇と被ってみえた。


・しゃばけ

18作ある人気シリーズの1作目。江戸時代を舞台に、連続殺人事件を妖とともに解決しようとするファンタジーというか妖怪探偵ものというか、ポップで軽い読み物。

個人的に、最近特にブランディングの一環でストーリーテリングとかストーリーメイキングに関心があって、妖怪の類なんていうのは見えないものに実体を与えようとした想像の産物なわけで、永く使われたものには付喪神が宿るとか、そういう発想やイマジネーションって素敵だし、日本的で、これってなんとか武器にならないかと。そういったすがる思いもなくもない。

なんだけど、どちらかというと、「家」をどう継ぐか、誰が継ぐのかという観点に目がいってしまった。目下、実家をどうするかという課題を抱えていおり、地元に戻る気のない長男としては頭の痛い問題だ。


・東独にいた

進撃の巨人の亜種、なんて呼ばれたりしてるけど、本質的にはスパイマンガ。互いの腹の探り合い。そこにちょっとSF要素を足してる。要するに怪物をどう制圧して自分の目的を達成してくか、というゲームな気がしないでもない。個人的にスパイモノはドストライクで、今最も新刊が待ち遠しい。

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