シェア
しゅんたろ@ふていき
2019年8月1日 20:20
祖父が旅立ってから10年以上経つが、未だに祖母の暮らす部屋には亡き人の気配が色濃く残る。揺り椅子は主人の帰りを待ち続け、本には栞が挟んだままだ。数え年で100歳になる祖母は、幸い元気に暮らしているが、偶に顔を見せる私には弱音を漏らす事がある。「あの人の背には羽があって、ふわりふわりとお伽話の世界に私の手を取り連れて行ってくれた。2人で過ごした時間は楽しくて、あっという間に過ぎ去って。