PC首位の「レノボ」 今後の展望は?

【概要】
PC世界首位のレノボが、「リモート」関連に照準を定め、PCの顧客基盤を活かしてサービス事業を強化する。

2020年3月期のサービス事業の売上高は43%増と伸びが顕著だった。サービズ事業は、ARを駆使してオフィス会議や工場の生産性を引き上げるIoTサービスや、データ解析を含めた医療や教育向けサービスなどだ。

サービス事業が隆盛を極め始めた中で、コロナ後の新常態をにらみ、在宅での勤務や学習を支援する「リモート」関連に注力する。

【仮説】
なぜ、レノボは「リモート」に注力するのだろうか?

ヒントは、PCの顧客基盤の利用にあると思う。

コロナ危機において、我々は、自宅で仕事や勉強を行わざるを得なくなった。それと同時に、オフィスやキャンパスの存在意義も見直す必要もでてきた。

もし、オフィスやキャンパスが必要ないと判断されたならば、本格的に自宅等で仕事や勉強を行うことになる。そのためには、チームタスクを円滑に遂行できるような仕組みの構築が急がれる。

レノボは、リモートワークの構築を見据えた企業を相手に、リモート関連製品を販売する戦略に出たと考えられる。前提として、レノボの大口顧客は企業であるが。

【検証】
まず、レノボはNECブランドと手を組んで、PC国内1位である。
『業界地図』には、国内PCの出荷台数は法人が牽引している、という記述がみられ、レノボの大口顧客は大企業と言える。

リモートワーク(テレワーク)は、本来、育児や介護中の社員など長時間労働が困難な人を想定した例外的な措置とする企業が多数だった。しかし、コロナ禍中において、リモートワークを中心とした業務の仕組みづくりを行う企業が出てきた。

ベネッセは、在宅勤務で残業代を支払う仕組みを導入するなど、在宅勤務の制度を変更している。これにより、益々リモートワークが定常化するだろう。

このような状況下において、セキュリティーサービス等のソフト面や、スピーカー機能を向上させたPC等のハード面の両面において、レノボのリソースを注力する動きが始まっている。

【感想】
レノボの強みとして、「グローバルなサプライチェーン」が挙げられていた。世界中に30もの製造拠点をもつレノボは、リモートワークで新たに創出される需要に迅速に対応できる環境が整っていると言える。疾風怒濤の時代に適合した事業に賭けたレノボに注目したい。


#COMEMO #NIKKEI

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