モノを選び抜くということ
こんにちは。
久我山の雑貨屋さん「Supermama mit tobuhi」で働く、スタッフの河野です。
秋口からお店のお手伝いをさせていただいて、少しずつ慣れて来たかなあと思えるようになりました。そこで今回は、店番をしていて感じた、お客さまの「モノの選び方」についてゆるりと書いていきます。
年末年始に向けて、買い出しに大掃除にと、モノと触れ合う機会が多くなる師走下旬。モノの選び方や付き合い方を、少し考えるきっかけになればいいなと思います。
迎え入れる前に、何度も面接する
Supermama mit tobuhi で商品を購入してくださる多くのお客さまは、1回ですぐ決めて買って帰られる、ということはほとんどありません。1回気に入った商品を見つけたら、何度も足を運んで、見て、触って、確かめて、いざ!というときに買って帰られるのです。
値段への感覚は人それぞれではありますが、、
たしかに、似たような見た目や機能をもつモノと比較すると安くはない商品が多いので、即決がないことは自然に感ぜられます。
ただ、お皿でも、グラスでも、ポットでも、もちろん店主の信頼のおける産地のモノを商品として扱っていますし、そのストーリーについてもお話しさせていただくのですが、その上で、何度も見てからというお客さまが多いのです。
”ストーリー” が大事なんだと思っていた
わたしは、今までマーケティングの考え方を中心とした仕事をしてきました。
テクノロジーと経済の進歩によって、なんでも手に入れられるこの時代。価値は、「モノ」から「コト」へ。機能はもちろんだけど、ストーリーやコミュニケーションが大事、というのが潮流。
頭でっかちにそう思っていたんだと思います。
だから、何度も何度も見て、触って、選んで行かれるお客さまが気になりました。店主ともなんでだろうと話したりして。そのあと、お店で実際に扱っている商品のことを見直してみて、しっくりと納得できたのです。
Supermama mit tobuhi のモノってこんなモノ
「確かなものづくり」
Supermama mit tobuhi ではキッチン周りを中心に、さま々な産地でつくられた生活雑貨を取り扱っています。そのどれも「職人」さんがつくってくださったモノ。身につけた熟練した技術によって、つくり出されたモノです。
職人さんのすごいところは、端的にいうと、機械では生み出せない繊細な技をつかって、何百個、何千個と同じモノをつくることができるところ。作家さんのすごさとは、また違います。
ご飯が美しく見えて美味しく食べれるようにとつくられたお皿、飲み物が美味しく飲めるようにとつくられたグラス、全てのお茶が快適に美味しく入れらるようにとつくられたポット、、
そんな、日々の暮らしのためにつくられたモノを、商品としてお届けしています。
「店主のこだわり」
そして、久我山のお店に並んでいる商品も、店主がこだわり、選び抜かれたモノたちばかりなのです。
有田焼だったり、燕のステンレスだったり、技術もブランドも認められた産地のモノが多いのですが、店主に一つ一つ選んだ理由を聞いていると、
「この産地の、たくさんの問屋の中でも、先進的に使い手のことを考えているこの問屋さんだから」とか「このメーカーさんのモノの中でも、特にこの時代のものに敬意を払っているので、数点だけを選んでいる」とか…
本当にいいものをお届けしたいというこだわりが強いのです。
ポンと置いてある一つをとっても、ずっと小売業界でバイヤー経験も経た店主がこだわり選び抜いたモノたち。手前味噌ですが、「伝統工芸のお店」と一口に言っても、一線を画する雰囲気が漂っているのは、このあたりが所以なのかなあと思います。
生活に馴染む、が心地いい
さて、技術や産地の歴史やこだわりといったストーリーを知ることは、モノの価値を見定めるために大事なことです。お店に来てくださる方は、Supermama mit tobuhi の商品が「確かなものづくり」に支えられ「選び抜かれた」モノだということを、感じてくださっているのだと思います。
でも、生活で使うモノだからこそ、シビアな目で、生活に必要なのか、日々使い続けるに足る機能やデザインなのか、を選び抜く必要がある。
わたしも本気で向き合わずに迎え入れてしまって、結局使わなくなってお蔵入りしてしまったり、雑に扱ってしまったり。そして、そういう生活がなんとなく自分を苦しめてしまったり、という痛い経験が何度もあります。
職人さん、作家さん、機械、など…
つくられた目的や方法によって、そして迎え入れる人によって、モノの価値は違って、その選び方も違うということを、お客さまから学びました。
店主にもお客さまにも選び抜かれたモノたちは、生活を、力強く支えて繊細に彩ってくれているのだろうなあと思います。
生活の中で真価を発揮してくれるようなモノの選び方、わたしもできるようになりたいものです。
Instagram :supermamamittobuhi
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