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映画レビュー:Winny (2023) 〜天然な天才プログラマーに翻弄されつつ魅了されてゆく弁護士、彼らの戦った相手は一体なぜWinnyを敵視したのか?が見終わったあと静かに腑に落ちてきた
ストーリー ファイル共有ソフト「Winny」を使って違法にコピーしたゲームのデータをアップロードしたとして、京都府警が群馬県高崎市と愛媛県松山市で、それそれ1名を著作権法違反の容疑で逮捕した。京都府警ハイテク犯罪対策室の北村(渡辺いっけい)は、東京在住のWinnyの開発者、金子勇(東出昌大)に任意同行を求め、Winnyの開発を中止することに同意させ、誓約書を書かせる。書き方がわからないという金子に、北村は自作の文章を示し、それを書き写させた。文意に疑問を抱く金子だったが、
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映画レビュー:ゴジラ-1.0(2023)〜それは、日本が経験した厄災と復興、その間で置き去りにされた人々のトラウマとの対決だった
ストーリー 第二次世界大戦末期の1945年、神風特攻隊の飛行士だった敷島浩一(神木隆之介)は、搭乗機の零戦が故障したと言って、大戸島にある整備隊の基地に不時着する。敷島の機体を点検した整備兵の橘宗作(青木崇高)は、どこにも不良箇所を発見することができず、敷島が特攻を逃れるため嘘を言っているのではないかと疑う。 その夜、敷島は海辺で不思議な光景を見る。深海魚が多数、浜辺に浮いて漂っているのだ。すると突然、巨大生物が彼らの基地に襲いかかってきた。橘は敷島に、零戦の20ミリ機
ドラマレビュー:ザ・クラウン(2016-2023)〜英国の「王冠」を継ぐ者と継げない者、それぞれがシステム存続のために傷つきながら回復していく、まさに大河のごとき大河ドラマ
年の瀬も迫ってきたので、2023年に見たドラマを振り返って、レビューを記しておこうと思う。流行やブームにまったく疎い人間なので、今年のドラマではなく時期を外しまくっているが、そこは生暖かく見ておいてほしい。今回取り上げるのは、2016年から2023年に掛けてネットフリックスで配信された、6シーズン、全60話という大作「ザ・クラウン」である。 王女だったエリザベスがフィリップと結婚してから、ジョージ6世の崩御により王位を継承して即位。以後エリザベス女王としての数十年にわた
ドラマレビュー:愛の不時着(2019)〜ロミオとジュリエット以来の、障壁があるからこそ燃え上がる愛だけど、むしろ北朝鮮に親近感を持ってしまう
年の瀬も迫ってきたので、2023年に見たドラマを振り返って、レビューを記しておこうと思う。流行やブームにまったく疎い人間なので、今年のドラマではなく時期を外しまくっているが、そこは生暖かく見ておいてほしい。 昨年からNetflixに加入して、何か面白いものは?というので見始めたドラマである。韓流ドラマを見るのは初めてで、その特有のノリに最初は少々違和感もあったが、たちまちストーリーに引き込まれてしまった。 韓国の財閥令嬢の主人公、ユン・セリは親の力によらず自力でビジ