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ファッションで福祉業界への偏見をひっくり返す、平林景氏の挑戦・・・という記事の紹介です。

こっちの仕事にあっちの仕事に頭の切り替えが・・・。

年休消化も20日くらいを残しての退職になりそうです。
それでも、こんなに年休を使いながら仕事したのは初めてですね。

今日は、福祉の業界にオシャレな旋風がやってきそうな記事を見つけたので紹介します。

高齢者だってオシャレしたいと思うんですよね。
女性だってお化粧とかオシャレしてたら外に出て誰かと会ったりしたくなったり意欲的になったりすると思うんですよね。
自宅でも施設でも、介護が必要になってもそういう気持ちは大切にしていきたいな、って思ってたので、そういう部分で先駆的に取り組まれている実践と思います。

ファッションで福祉業界への偏見をひっくり返す、平林景氏の挑戦|賢人論。|みんなの介護 (minnanokaigo.com)

「オシャレで福祉への固定観念を変える」

そう力強く語る、平林景氏。ハンデの有無に関係なく、誰もが楽しめるアパレルブランド「ボトモール(bottom’all)」を展開している。昨秋にはパリコレで車椅子のランウェイを実現するなど、国内外から注目を集める存在だ。

いまだ、ネガティブなイメージが残る福祉業界。彼は福祉の世界を変えることはできるのだろうか?

みんなの介護 / 賢人論 平林景

オシャレで福祉への固定観念を変える、良いフレーズですね。
是非とも頑張って新しい風を吹き込んで欲しいです。

既に海外から注目されているようなので期待しちゃいますね。

平林 実は、3年前にJPFAで「ボトモール(bottom’all)」という独自のファッションブランドを立ち上げたんです。この「ボトモール」のブランドのコンセプトは「障がいがあってもなくても誰もが楽しめるファッション」です。この“あってもなくても”というのがポイントで、決して「障がいがある人のためのデザイン」ではありません。

障がいの有無だけでなく、年齢・性別などに縛られないファッションを提案したい。むしろハンデがあるからこそ、カッコよく見える服があっても良いじゃないかと思っています。「障がい者はかわいそう」といったネガティブな固定観念を塗り替えることが目標です。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

とっても素敵な発言だと思いました。

障がいがあってもなくても・・・ここが良いですよね本当に。

本当は、介護とかも普通の生活の中の一部のはずなんですよね。
それを僕たちが勝手に特別なものにしてしまっている。

人として普通のあたりまえの事を当たり前に出来る。
そんな環境になればいいなと思います。

介護が必要であっても、人の価値は同じですから、上でも下でもないはずなんだと思います。

だからこういう取り組みや実践は心を動かされる想いです。

平林 ありがとうございます。パリコレ出展は、ブランド立ち上げ当初からの目標でした。意外なことに、これまでパリコレのランウェイを車椅子が通ったことはなかったそうなんですよ。じゃあ「ボトモール」がその歴史を変えてやろうと思って。

ファッションの最高峰であるパリコレを車椅子で疾走する。障がいに対する世界のイメージを変えるなら、これ以上ないエキサイティングな舞台になるんじゃないかという期待がありました。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

これって凄くないですか?
海外って人権意識とかハンデのある人への対応とかって凄く進んでいると思っていたので、車いすでのランウェイがこれまでなかったという事実にも驚きましたが、その初めてを日本人がやってのけたのが凄いと思いました。

平林 「誰もがファッションを楽しめる」という、新しい時代の扉をこじ開けられたのは間違いありません。とはいえ「0を1にする」ことを目標にパリに乗り込んでいるので、そう考えると到達できたのは0.1程度かな。

ただ、自分達の足りない部分に気づけたという点では、何にも変え難い大きな収穫です。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

0から1にするって凄く大変なんだと思います。
だからそれ自体が凄くて、その上で0.1の達成感という自己評価もすごいと思います。もっと可能性がある、という事ですよね。
その為の課題が、行動を起こした(0を1にした)事で改めてはっきりと見えたから、0.1程度の達成と実感できた。

足りない部分に気づけた、とありますが、本当に行動してみないと見えてこないんですよね、そういう課題って。
0.1の達成だったけど、何にも代え難い大きな収穫という言葉も重いです。

ここの自分での受け止め方が大事だと思います。
目指す方向のその先を見据えた時に、今の到達はこのくらいだけど、あそこにたどり着くまでに必要な道筋や準備が必要な事がわかった、という部分をしっかり評価できているので、目先の足元の達成度でいちいち軸がブレないんだと思います。

この感覚が何となくでもわかってくると、失敗を失敗にしない、あきらめない、というワードが消化できると思うんですよね。

同時に、能力や素質、真面目で優しい人の多くが、この”つまづき”で大きなショックを受けてしまって自信を持てなかったり、怖がってしまう傾向が強いようにも感じています。完璧主義というか。

確かに他人の人生を支える重要な仕事なので、失敗や許されないといったプレッシャーはあるんですけど、失敗しないなんて事は絶対ないし、自立支援をしっかりやればやるほどリスクは高くなるんです。

人生なんてリスクだらけじゃないですか。
自宅にこもりっきりだとしても地震などの自然災害のリスクはあります。

1年間で53万6,899件ですので、1日平均だと約1635件。実際は月ごとに件数は違うものの、平均すると毎日1600件以上の交通事故が起こっていることになります。1時間に66件、1分間に1件以上というペースであることを考えると、すごい数ですね。

Smart Drive

2015年の統計みたいなのでだいぶ古いデータなので現状では正確ではないかもですが、1分に1件の交通事故が発生していると思うと、交通事故に遭うリスクってかなり高いと思いますよね。

何が言いたいのかというと、僕らは日常的に失敗を繰り返して生きていて、その経験から成長しているわけなので、その失敗での経験を次に生かせればそれでいいと思うんです。当然、リスクの想定や対策はしてある前提は必要ですけど。僕自身は、起こってしまった事よりも、先の事をどうするかが重要だと思っています。

平林 洋服のデザインや機能性には改善の余地が多くあります。それに、社会への問題提起という側面から振り返ると、これがまぁ思った以上に手強かった(苦笑)。 

僕らはね、世界をひっくり返すためにパリへ行ったんですよ。でも、たった1回のショーで一発KOはさすがに無理でしたね。凝り固まった世界の価値観を覆すには、まだまだインパクトに欠けていたと痛感しました。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

僕にとっては十分にインパクトのある取り組みだと思うんですけど、さすがですね海外でチャレンジする人の目標は違いますね。
『一発KO』を狙ってたわけですよね、凄いとしか言えませんね。

海外で凝り固まった世界という事ですから、そっかそうであれば日本の介護の業界なんてのは固まりすぎてしまっている状況なんだろうな、とも思ってしまいました。

―― ショーの前、あるインタビューに「賞賛だけでなく批判がほしい」と答えていらっしゃいましたね。

平林 100人が見て100人が良いと感じるものは新しい価値観とはいえません。批判する声があって、はじめて議論になります。

今回のショーについては、関係者やメディアによる好意的な反応が多かった中で、辛口なご意見を耳にすることもできました。これこそが僕が欲していた環境。ようやく世界を変える第一歩が踏み出せたなという感覚です。いずれにせよ、これからですね。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

全員が賛成なんて事は絶対といっていいほどあり得ません。
だから反対意見があって当然、というのは僕自身も肝に銘じて取り組んできました。

ただ、100人が見て100人が良いと感じるものは新しい価値観とは言えません、という言葉は腹に落ちました。

なるほどそうだよな、と思いましたね。

だから、新しい事をやろうとするときに反対意見が出るのは当然だし、反対意見が出るという事は新しい価値観を生み出している事なんだ、と。

そう思えたら踏ん張れそうですよね。

批判する声があってはじめて議論になる、というのも納得です
多くの職場で、批判は出るが議論まで到達しない、という事はありそうですよね。

日本人だからかどうかはわかりませんが、会議でこういう感じになった時に感情的になる職員の多い事多い事・・・。
感情的になる人がいるとそうでもなかった人まで引っ張られて感情的になっちゃうので本当に冷静に意見を出し合って欲しいと切実に思います。
そして、反対意見や批判の意見の中にも納得できる部分や、新しいきっかけになる発想があったりするので、それはそれで素直に認めて取り入れるなりして深めていけばいいんですけど、そうならない事が多くて悩みどころです。

平林 実は、介護に関してはめちゃくちゃ親和性が高いって思ってるんですよ。私たちも歳をとっていけば、歩けなくなるかもしれないですよね。身体的に障がいのある方の服をつくることって、いわば介護の服をつくっていることに等しいんです。

機能面では多くの共通点があるので、「ボトモール」が築き上げてきたノウハウを、高齢者向けに応用していきたいです。

それに、この2つの分野で共通するのは機能面だけではありません。見映え・デザインの観点で、同じ課題を抱えています。何だと思います?

みんなの介護 / 賢人論 平林景

そう、みんな高齢者になるんですよ。
介護の仕事をしていると、たまにそう思ってない職員が存在するような錯覚にとらわれる事があります。中には生まれた時から高齢者だったような感じで接しているように見える職員だっていました・・・。

自分たちも年をとって介護が必要になった時に、どんなケアを受けたいのか、どんな環境で過ごしたいのか・・・。
そして、その時代では今よりももっと人手が少ないという事実。

ちゃんと想像できているのか不思議になります。

今の内から、僕らが見ても着てみたいとか乗ってみたいとか、使ってみたい福祉の用具がないとダメじゃないかと思っています。
だから、ファッションの部分でこういう取り組みが福祉業界に入ってくるのは大歓迎です。

―― ……どちらもイケてない?

平林 正解(笑)。洋服に限らず、ケア関連のアイテムって見た目が全然進化していないでしょ?たとえば「介護用おむつ」の、味も素っ気もないデザインを見てください。

自分がじいちゃんになった時、あの真っ白のくそダサいおむつを履かされるのかと思うと勘弁してくれとしか。ここぞという時に履く、勝負パンツならぬ「勝負おむつ」があっても良いと思うんですよ。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

くそダサおむつ・・・。
この、履かされる、という感覚。
僕ら介護職は覚えておかないといけませんね。

誰も好き好んであのオムツを履いているわけではないんですよ。
誰も介護をうけたくないのと同じです。

仕方なく、どうしようもなく。

そりゃ、そんなオムツを履いている所を他人に見られたくないですよね。
僕自身、入浴介助をしてきましたが、絶対見られたくないよなぁ・・・って思って申し訳なかったです。

自分ならどうだろう。
オムツの中でおしっこやうんちをする事だけでも相当な覚悟と尊厳の喪失感を感じました。

じゃあ、今そこで普通にオムツを履いたり脱いだりしているおじいちゃんは、どういう気持ちなんだろう。

戦中戦後を戦いぬいて生き抜いて、戦後の日本を支えて働いてきた男性です。諦めや情けなさ・・・尊厳を守るとは一体なんだろうか・・・、そう自問自答してきました。答えなんて出ませんし、その状況を変えれるわけでもないので悩む事しかできませんでしたが、この気持ちだけは忘れてはならんと思いました。

平林 だって、赤ちゃんのおむつは可愛い色柄のものがたくさん出ているのに、介護用だけ何十年も前から変わらないビジュアルっておかしいと思いません?

もしカッコいいデザインなら、排泄介助されることへ心理的抵抗がある人も、おむつを履くのが楽しみになるかもしれないのにね。

介護に限らずケアの世界では、見映えが二の次になっています。病院の入院着だってツッコミどころ満載ですよ。絶妙に中途半端な丈感とか、この変な模様ってホンマに必要!?とか(笑)。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

どうしても機能性が重視されますよね、それは仕方ないと思います。

オムツですから、やはり履いていても気持ちのいいものに特化していくのは当然と思いますが、やはり商品として”このオムツを履きたい”という方向性で作成されてこなかった理由は、本人目線ではなく、現場の介護職目線での商品開発だったからだろうと思っています。

オムツを買うのって本人じゃなくて介護する側ですもんね。
そう考えるとやはりそれも当然といえば当然と思いますが、本人が履きたいと思えるという視点は大事だと思います。

僕も入院した経験あるんですけど、あの独特の着物みたいなやつって不思議なデザインですよね。確かに変な模様でした。

平林 そうそう。誰かにお世話されるという現実を、否が応でも突きつけてくるんです。人の手を借りるなら見た目は我慢して当然みたいな根拠のない圧力で、ケアを受ける側は色んなことを諦めさせられてしまう。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

あー確かに、自分は病人なんだなぁ・・・って思いましたね。
自覚なく色々諦めていたのだと思います。

もちろん、ケア用品の性能はどんどん向上しています。けれど、機能性とデザイン性の追求が「or」になっている固定観念が危ないなと思う。見た目良し・使い勝手良しの「and」で良いじゃないですか。

だって、一般向けに売られている商品は、当たり前のように両者を追求してるんだから。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

しかし、そうは言っても商品としては売れないとダメですから、安くて機能性がよくて・・・という方向に特化していますよね。

ただ、今後はそこに本人の選択、という部分は結構入ってくると思うので、ちゃんと今からそういう部分に取り組んで開発していく企業は強いんじゃないかと思います。

高齢者人口増えますからね。

平林 そのとおりです。僕は、オシャレとは「その人らしさ」を守るためのものだと考えています。年をとってもハンデがあっても、その人がその人でいられる拠り所のひとつじゃないかと。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

そのとおり!としか言いようがないです。

平林 20代の頃、僕は美容師をしていました。髪型ひとつで生き方や考え方が変わったお客さんをたくさん見てきたし、自分自身が美容の仕事を選んだ理由もカッコよくてモテそうだと思ったから。僕に限らず、人間いくつになっても「異性にモテたい!」というのが人生のモチベーションの一部だったりしますよね?

カッコよくあり続けることは、人の生きる尊厳につながるといっても過言じゃない。それくらいオシャレは大きな力を持っているのに、福祉の世界ではないがしろにされ過ぎているのがおかしいと思いました。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

介護保険法では、尊厳を守ることが前提とされています。
オシャレが尊厳につながるモノであるのであれば、現状は変えないといけませんよね。

―― 最近は、ヘアカットやネイルケアなどオシャレで利用者のQOL向上を図ろうとする介護施設も増えています。少しずつ変化の兆しが見えてきているのかもしれません。

平林 良い取り組みだと思います。それに、高齢者介護の世界は、近い将来必ずファッション革命が起きると思いますよ。

DCブランドが流行り出した1980年代を過ごしてきた方が、高齢になってきていますよね。その世代の方たちはオシャレに敏感だから、既存の介護ウェアや福祉用具ではおそらく満足できないはず。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

こういう取り組みはどんどん広がって欲しいですね。
デイサービスでもネイルをしてもらった時のおばあちゃんたちの嬉しそうな事。男性利用者さんに見てもらって褒めてもらって喜んだり、そういうのどんどんやったらいいと思うんです。特別なイベントではなくて日常的な取り組みの中で自然に、今日ネイルしますか?みたいな。

高齢者のファッション革命は楽しみですね。

―― ちなみに、平林さんが介護施設を運営するなら、どんな施設にしたいといったアイデアなどありますか?

平林 考えたことなかったなぁ。うーん、温泉付きなんてどうですか?あ、すでにそういう施設が結構あるの?

じゃあ、一般客も入浴できるスーパー銭湯とくっつけてしまったらどうでしょう。利用者さんの地域交流が叶うし、若い人にとっても自分が年を取った将来のことをイメージできる有益な場となりそう。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

こういうの僕もやっていたいと思ってました。
なので、きっと誰か既にやってると思うんですよね。
いろいろ広がって、普通の生活の中に介護とかも溶け込んでいってほしいです。

平林 たとえば、かつて根強かった「障がい者はかわいそう」といった先入観は、無知による固定観念そのものでしょ。

相手を勝手に不幸にして、「やってあげる」「助けてあげる」と押し付けることは、思いやりのように見えて、実のところすごく上から目線で不健全です。

僕らは多様な人が着られる洋服を作っていますが、善意でやってるだなんて一度も考えたことはない。単に好きだからやってる・やりたいからやっているだけです。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

介護の仕事も、やりたいからやる、それだけでいいと思います。
出来る事を取り上げてどんどん出来なくしてしまって上から目線でいろいろ言ってしまう、介護現場ではよくありますが、本当にこれは変えていかないとダメだと思います。

平林 「障がい者じゃないくせに、車椅子に乗るなんておかしい」とか言われますよ。ハンデを持つ誰かに対して気を遣っているつもりなのかもしれませんが、見当違いも甚だしいなと。

僕が学生時代の話ですけど、クラスメイトが使っていた車椅子を借りて、友人同士で学校内を乗り回したことがあります。すると、慌ててすっ飛んできた先生に「やめなさい!」なんて叱り飛ばされてしまって。

それが「危険だから」という理由なら納得できますが、結局は「不謹慎だ」といった意味を言外に含んでいるのが感じられてね。所有者本人がOK出しているのに、部外者がモラルという名のズレた正義感を持ち出してくるなんて、ナンセンス極まりない。あの頃から全然変わってない人たちがいるんだなと思うと恐ろしいです(苦笑)。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

車いすは乗ってみた方がいいと思います。
視線は低いし、地面の振動はダイレクトに尻にきます。
長時間そこに座ってられない事は実感できますし、取り回しが難しいのも実感できると思います。

そして何より、こんなスロープ登れないから!というスロープがあまりに多い事にも気が付く事ができます。

平林 怖いですよね。業界自体がプロデュース力に欠けているせいで、ネガティブな先入観がどんどん凝り固まってしまって。

―― プロデュース力ですか?

平林 仕掛ける人間が圧倒的に不足しています。やっぱりここでも、ファッションや見栄えを軽視する、福祉特有の古い価値観に縛られているなと。ほかの業界のように、それぞれが個性や強みをもっと打ち出さないといけないのにね。

だって、ロックやメタルみたいな、尖ったコンセプトの介護施設もアリでしょ。送迎車がゴリゴリのスポーツ仕様の所があったって面白いじゃないですか。「あのデイサービスめっちゃカッコいいから通いたい」という選択肢があってもいいんじゃないかな。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

送迎者がスポーツカーとか凄い発想だけど面白そうですよね。
結構人気出そうな気がします。ペイできるかどうかは知らないけど、今はカーシェアとかあるのでやりようによっては出来るかも?

介護事業所も個性を出す時期ですよね。
みんな同じって本当は変ですよね。

民間企業が経営しているのに。

平林 明るく開放感のある施設を見て「ここなら楽しく働けそう」と、若いスタッフたちが集まってきました。福祉の担い手不足が叫ばれますが、うちでは人材問題に悩んだことはありません。スタッフがいきいきと働くことで療育サービスの質はどんどん高まるし、利用する子どもと保護者の満足度も向上して、まさに三方良しの状態です。

ケア用品の話と重なりますが、どうして「or」の考えしかできないんだろうかと。福祉の世界で長く働いている人ほど、この「福祉は羽目を外しちゃいけない」というマインドロックがかかっているように感じます。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

特に若い世代は職場がオシャレな方が良さそうですよね。
職員がいきいきと働ける環境づくりは喫緊の課題です。

平林 本当にそう。根が深いですよね。たとえば介護士さんって「子どもが将来なりたい職業ランキング」で上位にはこないでしょ?確かに「給料が安いから」「仕事が大変だから」など、それっぽい原因はたくさんあります。

でもね、僕が昔働いていた美容業界なんて、ブラックそのものの労働環境でした。現在はかなり改善されたとはいえ、働く人の苦労や努力に待遇が見合っているかというと疑問が残ります。それでも、美容師に憧れる若い人はたくさんいる。

そうなると、結局はイメージの問題ですよね。ただでさえ少子化で労働力が貴重になっている中、若い子がわざわざ「暗くてダサい」福祉職なんて選ぶはずがない。

人材不足を嘆くだけじゃなくて、なりふりかまわず「華やか・明るい・楽しい」を仕掛けていかないと。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

美容師の世界は介護の比較にならないほど過酷と聞いたことがあります。
お給料も安いしスキルアップの為のサービス残業なんて当たり前だし、それをしないと生き残れないという感じの話は聞いたことがあります。

現場職員の業界を明るくするような発信もこれからは重要ですよね。
イメージをよくするには、現場の職員の生の声が一番だと思うんです。

あとは利用者さん自身の発信も力があると思うんですよね。

良いケア、取り組みをしていれば、自然とそういうポジティブな発信が増えるとは思うんですけど・・・。

平林 うーん、働く人たち個々が意識を変えようとするんじゃなくて、世の中の価値観そのものを変えた方が早いんじゃないかな。

福祉の担い手不足にしたって、制度とか待遇とか中身をちょこちょこいじって改革しようとしてきたけど、結局全然うまくいってないから問題が深刻化する一方なんですよね。

だからもう、大枠を変えてしまいましょう。そのアプローチ法として、僕はファッションを選びました。でも、ツールは建築でも音楽でも何だって良い。色んな角度の切り口で、今の福祉の閉塞感をぶっ壊していくんです。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

これ、重たい意見だなと思いました。

業界の外から見た時に、介護業界への処遇改善の取り組みは全然うまく行ってないし問題が深刻化している、という評価ですよね。

業界にいる人間が自分たちで殻を割って変えていかないと・・・という段階なのかと思いました。

平林 日本人って頼り下手なんですよね。勉強でも何でも「全部ひとりでこなせて一人前」みたいな価値観の元で教育されてきたからでしょうけど。

昨秋訪れたパリの街は、都市環境の視点で見ると、身体的ハンデがある人が住みやすい場所とは決していえませんでした。駅や公共施設にすらエレベーターが設置されていなかったり、トイレと食事のフロアが分かれている飲食店が多くて。

でも、それ以上に印象的だったのは、周囲の人々がごく自然に手助けしてくれたこと。手伝う方も手伝われる方も必要以上に意識することなく、当たり前のように「共存」の感覚が根付いていました。これは日本人に欠けているマインドだなと痛感しました。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

海外ではハードというよりも、ソフト面でバリアフリーになっている、という事ですよね。

当たり前に手伝える環境づくりは、日本全体での課題と思いました。

―― 現実的には「発信すること」も必要ということですね。

平林 そうそう。自分が何に困っていて、どのように助けてもらいたいのか。「上手に人に頼れる“能力”」を磨いていく必要があると思います。人に頼ることを卑屈に捉えるのではなく、頼れる自分を誇るくらいでちょうど良いのでは。

人が自分ひとりでできることなんて、実はたかがしれています。その代わり、自分も誰かに頼られる存在になれるよう努力すればチャラですよ。

助けてもらった分、自分の得意な部分で社会に還元する。これこそが、世代間のバランスが歪な社会を生き抜く術だと思います。

みんなの介護 / 賢人論 平林景

みんな助け合って支えあって社会を構成しているわけですから、もっとどうどうと助け合える社会になるといいな、と思いました。



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