アートがよくみえる、サコッシュ
どうも、日本一周をするラッパー KZです。
まず、軽くプロフィールを。
20歳ぐらいから音楽にはまり、今、現在34歳です。
14年間、サラリーマンをするかたわら、音楽をしてきました。
今まで、10枚以上のアルバム、年間50本以上のライブ活動、ちょっとした役でゴールデンのドラマ出演とかもしたり、オールナイトニッポンに呼ばれたりと、最近は特に忙しくさせてもらっていました。
過去形なのは、じつは今年の3月からソロの音楽活動をおやすみし、さらには、サラリーマンは退職しました。新婚にもかかわらず、はれて無職になり、今、奥さんと新婚旅行がてら日本一周をしてます。
そして、今回もTO&FROの認定トラベラーとして、TO&FROと日本ブランド『Et baas(エバース)』がコラボした、サコッシュのレビューを書かせてもらいます。
今回の舞台は”越後のどんつまり”
新潟には、越後妻有という地域がある。
そこは日本有数の豪雪地帯であり、冬になると陸の孤島になっていく、そこから「越後のどんづまり」それが転じて、越後妻有(つまり)と呼ばれている。
ここの地域を舞台に、2000年から越後妻有を舞台に「大地の芸術祭」という
アートトリエンナーレが3年に一度行われている(本来であれば、今年2021年も開催年だったんですが、コロナで延期となってます)。
ジェームス・タレルやクリスチャン・ボルタンスキーに蔡國強といった好きな作家の作品もありつつ、作品の多くは「新潟を襲った複数回の地震」「村の過疎化と廃校」「都市の電力を賄う地方のダムによって破壊された自然」といった、その地域に根深く存在する問題やネガティヴな要素を背景として生まれでたものが多数ある。
アートがただの嗜好品でとどまらず、どの作品も「存在意義」を強くうちに秘めたるものばかりであった。
自分は、関西の人間なので、どうしてもトリエンナーレと言われると瀬戸内芸術祭が最初に浮かぶし、訪問するとなっても、直島、豊島、犬島を起点にその周辺の作品をめぐるのが常だった。
そんな自分からすると、この「大地の芸術祭」は憧れを抱かずにはいられない場所である。
なかなか気楽に関西からは行きにくいのが正直で、この手の芸術祭を楽しもうと思うと、最低でも2日からは必要。時間や移動費、滞在費を考えると、おいそれと安月給の自分は旅立てなかった。
なので、日本一周をする際に、必ず立ち寄ろうと強く決めていた。
乗車、運転、下車、徒歩、無料、有料、パンフレット
前置きはなかなか、壮大に始まったのですが、今回初めて来てみて、内陸が舞台のトリエンナーレは、いざ回ってると、それはなかなか大変でして…...。
まず、展示のエリアが広大なんです。
少なく見積もっても、50以上の作品が屋外、屋内に存在してて、さらに最も離れたアート同士ですと、車でなんと、1時間!寄り道せずにまっすぐでですよ。
瀬戸内の芸術祭だと島の中なので、車なんかあると、さーっと回れるんですが、越後妻有は、さすがの「どんづまり」の山間部。
山を越え、谷を越え、作品から作品へ。
ただ、いいところもあって、まず自然の景観を楽しめる。そして移動時間に作品の咀嚼ができる。さらにはアートをつなぐことでまるで冒険をしてるような感覚になれるんですよね。
これはこれで面白いやないか…...!と最後の方にはなってました。
そんな中でめちゃくちゃ、困ったのが実は鞄なんですよね。
車から降りて、展示まで歩くこともあるし、また有料展示と無料展示が混在してるので財布はいるし、場所によってはパンフレットをもらうので、それはポケットには入らないし…...。
なので、手ぶらは難しく、かといって普段手ぶら派なので、作品を見るたびに鞄を出すのも億劫でした。
そこで、TO&FROとEt baasがコラボしたサコッシュを使ってみたんです。元来、手ぶら派の人間からして、このサコッシュには偏見を持ってました。「まず、何を入れるねんって、財布と携帯ならポケットでええやん」って。
でも、実際使ってみると、「便利やぁ〜」とすぐになりました。
まず、容量がちょうどいいんです。携帯と財布と美術館でもらうチケットやパンフレットをすっぽりと入る。場合によっては、モバイルバッテリーなんかも入れられたり。
前面にはチャックがないポケットが、大きいのと小さいのがあります。ここに出し入れの頻度が高い携帯を入れたり、レンズキャップを入れたりしました。小さい方には、自分はレコーダのマイクを入れましたが、人によっては電子タバコなんかも入るんじゃないかと思いました。
サコッシュをつけたまま、車の乗り降りが出来て、素晴らしかったです。サコッシュさん、今まで、偏見持ってて、すみませんでした。ほんと。
「最後の教室」
最初に向かった作品はクリスチャン・ボルタンスキーの「最後の教室」です。
肉親のアウシュビッツの経験などから強烈に生と死を感じさせる作品が多いです。彼は日本でも大規模な回遊展が行われるなど、人気なアーティスト。
そんな彼が、今は廃校となってしまった小学校を舞台に「最後の教室」という作品を作り上げました。体育館と校舎の1〜3階を舞台に、4つのエリアで作り上げられるこの作品は、まるでこの学校の卒業生たちの夢の中に迷い込んだような印象を受けます。
最初のエリアの体育館に入ると、そこは遮光をされており、暗闇に雪のようなノイズが降り注いでます。
映写機から発せられた、そのノイズは壁に相手に暴れ回り、焦点を定めさせてはくれず、目眩がします。
そして天井からは、まるで魂のモチーフのように感じる裸電球が吊るされ、3人がけの木製の長椅子が、向きは不規則に、それでも等間隔に配置されています。
長椅子の上には、この学校が最盛期を誇った70年代前後のアンティークのような扇風機が鎮座してます。その扇風機たちは、失われていくことを拒否するように、寂しげに首を振り続けます。
さらに、床一面には藁が敷き詰められ、それが強い青い匂いを発します。
もうこの時点で、頭は理解追いつかず、これが現実なのか非現実なのか、わからなくなり不安になってきます。
そして、この空間から外には、戻れず、校舎につながる廊下を歩きます。廊下も外光が差し込む部分はなく、暗闇に大きな換気扇から漏れる光だけです。
2階は、耳より先に肉体を震わすほどの大きな心臓音が流れる理科室。3階は、棚の裏に学校の遺物(テープや文集やしおりなど)が埋葬された音楽室。
とにかく、どれもが脈絡があるようで、掴みきれない、それは誰かの夢に迷い込んだようでした。
それにしても、前述した通り、このサコッシュ身軽ですね。数時間、肩掛けをして、展示内を歩き回ったのですが、肩紐が食い込むや、嫌な重さを感じるなどなく、むしろ掛け心地は素晴らしく。
あまり、掛けてる実感がなかったです。まじ便利。
トンネルの歴史
次に向かったのは、「清津峡トンネル」です。「大地の芸術祭」といえば、近年まずこの作品を思い出す人が多くいると思います。
あまり、この作品の背景を語るメディアは少ないので、少しだけ耳を傾けてくれれば。
清津峡は日本三大渓谷です。
最盛期は、無数の観光客を有しました。その時代はトンネルなどもなく、見に行くためには渓谷沿いを歩くという、危険な観光ルートでした。
あるとき不運にも事故が発生し、そのルートは通行止めとなります。
それでも、この場所を愛していた地元の人たちは、どうにか安全に清津峡を見てもらいたいと考えます。その思いの前に大きな壁が立ちはだかります。
この場所は豊かな自然がゆえに国の保護エリアとなり、外側の地形を変化させる工事が出来ないんです。
そのため、大変な苦労がかかるのは承知で、地元の方たちは徒歩で清津峡を見ることのできるトンネルを作り上げました。ただ、出来た当初は盛り上がったのですが、近年は人の足が遠のいてました。
そこで、「大地の芸術祭」のコンセプトの一つである「あるものを活かし、新しい価値を作る」によって、2018年にアート作品として息を吹き返したのです。
まず、このアートの素晴らしいところは、自然をデザインして、飽きやすい人の目を釘付けにしているところです。
清津峡の美しい石柱と季節よって表情を変える植物たちを、薄く水を張ったプールを鏡面としてシンメトリーに配置をして、さらには、周りを反射性のいいアルミで固める。
そうすることで、この空間は今までにないほど美しさを讃えてました。それでも、アートが前に出ず、主役が自然となっていて、それが素晴らしかったです。
この作品も、車を降りてから、車に戻るまで1時間ぐらい歩きました。
前までだったら、手ぶらでアートに向かい、入り口でパンフレットをいただいて手に持って歩き始め、途中で邪魔になり、ポケットに小さく折りたたんで入れて、それでも邪魔で出したり入れたり、そして最終はくしゃくしゃになる…...。
そんなことを繰り返してましたが、今回はサコッシュが大活躍でした。ありがとう、サコッシュ。
光の館
最後に向かったのは、ジェームズ・タレルの「光の館」です。ここは、なんと泊まれるアートなんです。
一室の屋根が、パカっと空いてて、そこから空が見えます。日没と日出に差し掛かると、空の変化していく色味とLEDのライトが調和しあい、特別な空の色を生み出します。
人の目のあやふやさを逆手にとって、空が緑に見えたり、ペンタブラックのような全てを吸い取る暗闇に見えたりと、今見ている空は自分が知ってる空とは違うのではと、不安になる程です。人間の知覚について、改めて考えさせれました。
あと、この光の館は、全てを通して禅を行う場所として、作り手のタレルは願ってます。
この空を見上げる行為も、今その瞬間に移りゆく空に集中することが目的なんです。
そして、建物の周りは静かな森が広がってます。1歩廊下に出ると、そこは座禅を組むのにぴったり空間です。
自分は座禅を組む時、メガネを外します。最初に座禅した際に眼鏡を外して以来の癖です。
常に眼鏡掛けてる人だとわかると思うんですが、たまに外すと置き場に困る。ケースなんて持ち歩かないから。床に直置きは、ちょっと嫌やし。カバンの中に、他のものと一緒にいれるのも…...。
ここでも活躍したのが、TO&FROのサコッシュでした。
アイウェアのブランド「Et baas」とのコラボってことで、外側のポケットの生地がメガネ拭きなんです。なので、さっとメガネをとって、そのポケットに入れることで、メガネどこに置くねん問題が一挙に解決。
あと、メガネ拭きとして、サコッシュでさっと拭くということもしてます。
今回も初夏の中、屋外のアートを見に回ると汗がメガネに、たらっと落ちる、みたいなこともありまして、そんなタイミングよく、メガネ拭きなんか持ってないんですよね。
前まで不測の事態は、Tシャツで拭いてやり過ごしてのですが、身につけてるアイテムの素材がメガネ拭きってことだけで、こんなに便利なんだと、感動しました。
このサコッシュ、まじでやりよる。
改めて、記事を書きながら、写真を見返してましたが、デザインもちょうどいい。主張は少ないけど、存在感はある。ええやん。
あと今回、自分が使ったのは、ブラック×ベージュの色味ですが、2色展開をしているようで。もう一色は、グレージュ×ブラックもあり、コラボ商品ならではのバイカラーが、またアクセントになっていて、お気に入り。奥さん用に、プライベートで購入しようかな…...。
手荷物のストレスから解消され、アイウェアも収納できてさらには綺麗にでき、どんなアート作品の空間でも馴染むデザイン。これは、タイトル通り、アートがよく見えるサコッシュです。
この旅で、夏には大好きな直島にも行こうと思ってますので、そこでも大活躍すると思います。
ありがとう、サコッシュ。これからもよろしく!
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▼TO&FRO http://toandfro.jp/
▼今回ご紹介した商品の詳細は下記からご覧ください。
【TO&FRO for Et baas】 SACOCHE
▼株式会社SAGOJO https://www.sagojo.link/
▼TO&FROの認定トラベラーに関しては、こちらをご覧ください。
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Writer : 大阪、梅田サイファーが出自のラッパーKZ。
見ている人を飲み込む力強いライブは定評があり、毎回のライブでは涙ぐむ人たちが続出する。ライムを踏みつつ、詩情に溢れたフレーズと、人生に対する普遍的なトピック選びを得意とし、それは、聞く人の心の奥底にある感情に強く訴えかけ、深い共感を得る。
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Editor : 五月女菜穂
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