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そして誰も来なくなった

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有名なミステリの設定をお借りしつつ…。
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#招待状

そして誰も来なくなった File 7

そして誰も来なくなった File 7

「ちょっと、私の招待状を返しなさい」

夜の九時を回り、他の招待客は部屋に入ったようだった。フットライトの明かりが浮かぶ廊下を歩く僕に、マーガレットさんが後ろから背中を小突いてきた。僕は気にすることなく、ダイニング入り口の広いスペースに足を運ぶ。未だ圏外表示が出ているスマホを起動させて、懐中電灯の代わりに手元を照らす。マーガレットさんと僕の招待状を並べて観察した。

僕のものは、いたってシンプル。

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そして誰も来なくなった File 6

そして誰も来なくなった File 6

腕が痺れて痛い。美里は血が滲んだ左手をかばいながら、匍匐前進するかのように壁際を移動した。芋虫のような自分の動きにぞっとして、こんな姿を飛鳥に見せられないと思ってしまった。ずりずり体を引き摺った先に、まだ自由が利く右手を伸ばして一枚の招待状を拾った。

「今藤はじめ…。彼、何者だったのかしら」

今藤は、ブレーカーが落ちてダイニングが真っ暗になったとき、彼と美里との距離は、机二つ分を挟んだほどのわ

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そして誰も来なくなった File 5

そして誰も来なくなった File 5

ベージュ色のカーペットが敷かれた細長い廊下を、マーガレットさんの後ろにくっつくかたちで歩いている。彼女は背中を大胆に広げたドレスを着ているので、その肌を見ないように前を進むのになかなか苦心した。

「飛鳥くん。あなた、女性慣れしていないでしょ」

僕の内心をえぐるような質問を投げかけるマーガレットさんに、僕は閉口した。渡したいものがあると言ってきたから、わざわざ彼女の部屋までついてきているのである

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