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小清水志織
2021年10月31日 12:23
※第3話はこちらから九月二十一日、火曜日。たまたま、私は職場から振替休日を貰っていた。不動産業の事務職に就いた理由は、正直なところ曖昧なままだ。確かに、幼い頃に初めてマイホームに移り住んで、家族団らんの場をもてる幸福を早いうちに感じたから、という理由は大きいと思う。しかし、大学で不動産業界を調べていたわけではなく、もっぱら空きコマには大好きなアニメや音楽に浸り、そして小説の創作に打ち込んで
2021年10月3日 19:20
天つ風 絶ゆる秋いにしえの鳥は歌う未だ聴かぬ 神の言葉到らぬ者のあるべきか秋の風が忍び込む部屋。彼女の目蓋がはっと大きく開いた。だいぶ長い時間、昼寝をしていたらしい。サンドロールを半分かじっただけの、到底食事と呼べないような栄養補給を済まして床に寝そべってしまった。眼に痛い夕焼けが部屋に差し込んで、赤い光線が窓から差し込んでいる。縒れたブラウスの裾から下着のシャツがはみ出している。セミロ