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黒猫と金貸し 01

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2019年9月の記事一覧

case01-16 :暗転

case01-16 :暗転

3月、日差しも暖かくなり過ごしやすい日も出はじめ、狩尾とも次第にとりとめのないくだけた会話が増えていた。

貸してる側・借りてる側の関係ではあるものの、狩尾に限らず返済日に至るまでは可能な限りは<普通の対応>を心掛けている。相手が人ということを忘れてしまうとどこまでしてしまうか分からない。

『今日は動物園いってきましたよ!』
『昨日きたお客さんが嫌で嫌で…もう出勤したくないです…』
『トーアさん

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case01-17 :訪問

case01-17 :訪問

新川崎駅。19時。

川崎駅はかなり発展した印象が強いが、新川崎となると雰囲気がだいぶ違う。寺や神社、住宅街が広がるいわゆる何の変哲もない街だ。ちょうど武蔵小杉での貸付予定が済んだ後、その足で新川崎に向かったのだった。

結局、返済日である25日が過ぎた後、狩尾から連絡は来ないままだった。経験上だいたい3日以内に連絡が来ない場合は、ほぼ逃げたと思って間違いない。今の時代、コンビニだろうが何だろ

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case01-18 :家庭

case01-18 :家庭

「狩尾はわたしですが」
「…は?」

一瞬何を言っているのか分からなかった。軽く30歳ほど老けてしまったのか?いやまさかそんなわけがない。

「狩尾明代さん?」
初老の女性はふっと目を伏せると
「…もしかしてまたあの子は何かしたんですか」
と答えた。

なるほど、<母親>か。一瞬混乱してしまったがそう見るのが普通だ。恐らく狩尾の子供であろう女の子は狩尾の母親の斜め後ろに下がり、どこか冷めた目

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