見出し画像

三度の飯より、人間が好き


三度の飯より人間が好き。
今ならそう言える。

少し前までは、特定の誰かが好きだった。

幅広く人と付き合うことが苦手な私。
人との付き合い方を考えすぎて硬くなってしまった頭。
その人の為、とはき違えて発言してしまう言葉。
職場で心無い言葉を浴び皮肉れ、人への信頼を忘れた心。

だから救ってくれる者にのみ縋り、
他人を遠ざけ、
一人でいることを好んでいるかのように
自然に触れるために旅へ出て、
そんな自分でも寄り添ってくれる親友を時々訪ねる。

自然という一人の力では動かせない
果てしない存在に触れていた方が何も考えずに済む、
とても楽だと思っていたのだろうな。

そんな時、
素敵な大人と出会った。

まさに私が
いつか人生の中で出会いたい、と
心のどこかで願っていた尊敬している大人だった。

周りの人が幸せになることができるよう
自分の好き、を活用し
お互いの最大限を引き出すことができる大人であった。

きっとこれができる大人はたくさんいるのかもしれない。

ただ私は、これを私であればというように
私なりの道を作ってくれたから、
私という存在に価値を見出してくれたから
素敵な大人を尊敬したのだと思う。

最初は凄い人だな、それだけであった。
でも次第に私の中に
本当はこういう素敵な大人、人間になりたかった。
という感情が顔を出した。

でも同じ人間になりたいわけでも
なれるわけでもないと思った。

その素敵な大人が示してくれた
私という存在価値を生かした、私なりの人間でいたいと思ったから。

私という人間は私一人で作り上げられたものではない。
様々な情報の中で、自分の本心が心惹かれるものを取り入れ、
それを何年も積み上げていくことで今の私がいる、と感じている。

心が惹かれる情報をより集め、
いつか私なりの素敵な大人になろう。

そんな事を考えながら日々を過ごすと次第に、

特定の場所ではなく、人のいる場所に足を運ぶようになった。
特定の誰かではなく、他人とコミュニケーションを図るようになった。
特定の本や音楽ではなく、他の本をよく読むように、音楽聴くようになった。
特定の食べ物ではなく、様々な料理を嗜むためお店へ足を運ぶようになった。

自分が体感した
うつくしいもの、うつくしくないもの
それが私の中で人間という存在を愛おしいものに変えてくれた。


大切な人から愛おしい、愛する人へと変わり
守ろうとするのではなく、
愛する人が自分らしさを表現できるよう羽を授ける



それができたらいいな。
と思いながら今布団に包まりながらビール片手に綴ってみました。

では、おやすみなさい。

この記事が参加している募集

#眠れない夜に

69,255件

#ほろ酔い文学

6,041件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?