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18【10年以上続く事業】となるための事業計画作成法≪特別編≫~マーケティンに役立つ質問力

「私の住んでいる地域を元気にしたい!」そんなあなたの想いをサポートしたい!Мの行政書士・上杉哲哉です。(福島県会津若松市と栃木県日光市に在住しています)

前回は、「インタビュー相手の弟子になる」という視点から、先入観を排除して、相手の話を聴き、ターゲットのニーズをつかむための方法について考えました。

特に、質問力はとても重要です。相手の素直な意見を聞き漏らさないためにも、質問力を磨くことは経営者としてぜひとも身に着けておきたいスキルです。

今回は、特別編として、質問力について考えたいと思います。どのような質問をすれば、相手の素直な思いを聴くことができるようになるのか…具体例を用いて考えていきます。

事業を成功させるカギはマーケティング力にもかかってきます。マーケティング力を高める質問力は様々なデータを読み解く上でも役立つスキルです。相手の思いをくみ取り、データを読み解くカギとなる質問力について考えていきましょう。


★質問力を高めるためのポイント

(1)「未来」ではなく、「現在」に注目する


自社がこれから出そうとする製品やサービスなどについて質問する際に、私たちはどうしても「未来」に着目しがちです。

「今後はどうする予定ですか?」や「どうしたいですか?」と将来像について相手に問いがちです。

しかし、未来を想定するための、一番重要な情報は「あなたは将来何をしたいか?」よりも、「あなたは現在何をしていますか?」

つまり、「現在の行動」こそが未来を想定するための最も重要な情報となります。

現在と未来はつながっています。未来は現在の延長線上にあるのです。将来のターゲットの行動も現在の行動原理が基本となって組み立てられていきます。よって、現在の行動を掴むと将来象を掴むための大きなヒントが得られます。

更に、現在していることや感じていることならば、当然ですが、実際に実行していることでもあるので、具体的、現実的に応えることができます。

しかし、未来のことはあくまでも予測なので、不正確な回答になりがちです。特に現在の行動を踏まえずに解答してしまうことも多いので、不正確な情報しか得れないことが多くなります。

よって、確実性の高い現在の行動や感じていることを質問する方が、将来を予測する上でより有効な情報となり得るのです。

現在の行動や感じていることを中心に質問することが第一のポイントです。


(2)「抽象的」ではなく「具体的」質問をする

質問する際に、「どのくらいの頻度で利用しますか?」のような「抽象的」な質問をしてしまいがちです。

しかし、「抽象的」な質問をすると、相手は具体的な状況を思い浮かべることなく質問に回答してしまうので、リアルな感情や行動、体験などを回答として得ることが難しくなります

よって、「どれくらいの頻度で利用しますか?」よりも「それは過去一ヶ月のうち、実際に何回利用しましたか?」のような具体的な期間や単位などを使った相手にとって状況を想像しやすい「具体的」な質問をすることが大切です。

相手が状況を想像しやすくなればなるほど、リアリティの高い情報を相手から得やすくなります。

相手がより状況を想像しやすい「具体的」な質問をすることが第二のポイントです。


(3)「結果」ではなく「プロセス」を尋ねる

質問する際は、「結局どうなりましたか?」と結果ばかりに注目してしまいがちです。結果は大切ではありますが、事業を構築するための情報としては有効な情報とはなり得ません

結果よりもプロセスを聞く方が大切です。そして、結果が良好なものであれば、そのプロセスは参考にできるものとなります。また、結果が失敗に終わっているのであれば、なぜ失敗をしたのか、考えるための材料となります。

そのために、結果がどうなったかを聞くのではなく、結果にいたる過程を段階を追ってプロセス(ストーリー)として語ってもらえるように質問することが重要です。

結果に至るプロセスを聞こうと意識して質問するだけで、相手も「結果にいたるプロセスに寄り添ってもらえた!」という想いを持ちやすくなり、課題の背景や内容を応えてもらいやすくなります。

「結果はどうなりましたか?」ではなく、「その事業案の具体的な手順をおしえてもらえますか?」というようなプロセスを尋ねる質問をすることが第三のポイントです。


(4)「解決策」ではなく、「課題」を尋ねる


世にある課題を解決することが事業です。その事業で取り扱う課題の解決策をわかりやすく書いたものが事業計画です。

よって、解決策が課題解決にふさわしいかどうか…という質問をしてしまいがちです。

しかし、解決策への質問は避けるべきです。解決策よりも、この事業で取り扱う「課題」が課題設定としてふさわしいのかどうかを質問するようにすることが大切です

事業の成功度は、解決策が優れているかどうか…と思われがちです。

しかし、事業がどんなに優れた課題の「解決策」になっていたとしても、事業の元となる課題を持っている人がすくなかったり、もっていたとしてもそこまで深く解決を望んでいない課題であるならば、どんなに優れた解決策が提案されたとしても代価を支払ってまで、その解決策に手出しをする人は少ないはずです。

よって、事業で取り扱う課題を多くの人が持っているとともに、解決を強く望んでいるかどうかを聴きだすことが大切なポイントなります。

具体的には、「この課題の痛みを10段階で評価するとどれくらいですか?」など、課題の大きさをある程度定量的に評価できるように質問することが第四のポイントなります。


ーまとめー

以上の4つのポイントを意識して質問をすることで、より有効な情報を得ることができるようになります。

この4つの質問のポイントの共通点は、インタビュー相手の立場に立った質問であるということです。

インタビュー相手の立場に立った、感情に寄り添った質問でもあるので、相手は感情に寄り添ってもらったという想いの中でより具体的な回答をもらえるようになるのです。

実は今回の質問のポイントは、事業だけでなく、一般的な人間関係構築においてもとても重要なポイントなっています。

是非、今回の質問のポイントを意識して、質問力を上げ、有効な情報を得るとともに、事業のパートナーともなり得る人間関係の構築にも役立てていきましょう!

次回は、インタビューにおいて、有効な情報を引き出すのに重要となる心構えとインタビュー内容の分析法について考えていきます。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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