見出し画像

会社にとって社員とは何か ~会社が社員に求める仕事とは

 就職して会社に勤める正社員になるということは、あなたと会社の間で契約を締結すること。あなたは会社とどんな契約を結んで、あるいは結ぼうとしているだろうか。そして、あなたが会社にとってどういう存在になることを求められているのだろうか。

画像1

 一般的な話から。
 会社勤めの契約には雇用契約や労働契約がある。これらは、労働者が労働に従事し使用者がその労働に対して報酬を支払うことを約束する契約についてのものであるが、前者が民法上の概念で、後者が労働関係諸法規の概念であり労働者の定義が異なっているという。恐らくあなたの就活の際にまず関わるのは雇用契約だろう。

 法律論は法律家に任せるとして、契約を結んで晴れて社員になったあなたが、どのような契約関係にあるのか、あなた自身が確認し理解しておく必要はある。入社する会社と契約する際には契約書の内容をよく読んで理解しておいた方が良い。

 もっとも、就活中に契約条件や内容、詳しい労働条件や労働実態など、契約に合意するかどうかの判断を行うための情報を学生が知る術があるだろか。質問すれば企業側も教えないわけには行かないだろうが、一人事担当者が全てを知っている訳ではないので、その担当者が誠実な人であったとしても求める答えは得られない可能性がある。
 就職が契約締結に係るものなのだから就活もある種の取り引きであるはずだが、持ち得る情報量が企業側に偏っているとすれば、就活は学生に不利な取引になるだろう。
 採用(内定)通知を貰うことにばかり気が向いてしまって大切なことの確認を後回しにすると、入社してみてから後悔することになるので、あなたの条件と会社の条件を良く整理して考えておく必要がある。

画像4

 さて、条件や内容は別として契約成立となった暁には、あなたは会社の下僕になるのだろうか。

 社員は労働することで会社から対価を得る、というのは共通事項だろう。
 ただ、ここで言う労働についての考え方が社員と会社とで必ずしもマッチしていないと思われる。

 多くの会社が大卒のあなたに求める労働とは、命令された作業を就業時間中に淡々とこなすというタイプの労働ではない。
 より短い時間でより少ないコストでより多くの収益を上げ、利益を最大化するような仕事だ。どうしたらそれを達成できるか自ら考えて組織として実行する経験と能力だ。

 最初は経験もなく、潜在的能力しか持ち合わせていないため、組織内に作られたチームの一員として与えられた業務をこなす事を指示されるだろうが、それは会社があなたに求める本来の仕事ではない。作業に習熟する事も必要ではあるが、そこでの作業によってあなたが学ぶべきことは作業の習熟ではなく、その業務において利益最大化はどうやって実現できるのかを見出すことだ。

画像3

 例えば新入社員のあなたがアルバイトと同じ作業を指示されたとする。あなたは、これはアルバイトの仕事であって俺のやるべき仕事ではないと腐るタイプだろうか。そうだとしたら、あなたは会社が求める人材では無いだろう。

 あるいは、売り上げに応じたインセンティブのある職業だとして、あなたに指示されたのが全然売上の立たない顧客だとした場合、あなたは、もっと身になる客の仕事を回せよと文句を言うタイプだろうか。そうだとしたら、あなたは会社が求める人材では無いだろう。

 この2つの例で言えるのは、単純作業や儲からない仕事を儲かるようにすることこそが、あなたがやる仕事であり、会社があなたに求めているこだということだ。

画像4

 あなたが就活をバイト探しの様な感覚で行っているとすれば、採用通知を貰うことが目標で良いが、たとえその会社に一生勤めるのではなくても、最初の就職はあなたの一生を決める可能性があるので、焦らずに良く考えて決めた方がいい。
 時には立ち止まることも大切だ。後に振り返った時、結果遠回りではなく近道だったということもある。

おわり


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?