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日本の景気が良くならないのは死に金だらけだからです

 予めお断りするが私は経済や金融の専門家ではない。ここで言っていることは、きっと間違っている。

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 貯蓄残高があるから国債(政府の借金)があっても大丈夫という説明が正しいかどうかは素人の私には検証しようも無いが、金融緩和状態なのだから市場にはじゃぶじゃぶカネがあるはず。しかし、お金を使うことに対して守りの姿勢が根付いてしまったバブル景気後の我々には、何かの時のためにと蓄えるしか術がないように思えている。
 生活に必要な金額以上の可処分所得が有り余る人は違うかもしれないが、我々が積極的に使って市場にカネが流れない限り経済が回り始めないと頭では理解していても、もし「カネは天下の回りもの」で無かったとすれば出て行ったカネは財布に戻ってこないのだから容易には使えない。
 この悪循環を断ち切るために政府はいろいろな手を打っているのだと思うが、一度定着したデフレマインドは簡単には我々を開放してくれない。

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 一方で生活に困窮する人々も増えているという。
 金持ちがお金を使っても、それは高級品市場で循環するだけで庶民市場には降りてこない。お金は遥か上空ではぐるぐると回って活況となり、地上では無風状態のままというわけだ。禍中でタワーマンションの販売が好調なのはそういうことの現れだろう。やはり地上には好景気はやって来ないのだ。

 そうかといって、手をこまねいているだけではいつまでも上空と地上の格差が広がるばかりだ。いくら上空層にカネが沢山あるからといって、動く金額が大きくても人数は少ない。金額は少なくても人数の多い中空都市において、上空と同じようにカネトルネードを起こさなければ、中空都市は浮揚力を失って地上に激突し、諸共藻屑となる運命だ。

 そう考えると、中空都市市民は賭けに出なければいけない時なのかもしれない。気付かぬうちに背後から台風が迫っているとしたら、それに対抗するには、”せーの”で生死を賭けて財布の中の死に金を投下し、トルネードを作り出すしか無いところに来ているのかもしれない。トルネードが起きれば生き返るが、起きなければ死。死というよりも別の力で空中に吸い上げられるだけなのかもしれない。
 理想的なのは全体での好循環が起きることで、今日の私のカネは明日のあなたのカネとなり、それもまた翌日の私のカネになる状況が生まれることだろう。

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『私が「せーの」と言ったらみんなで財布の中身を放り投げよう!』

 誰かが音頭取りでそう言うと、「きっとあの人は自分だけ財布の中身を出さずにみんなが出した札を拾い集めるよ」という疑心暗鬼で、皆はかえって財布に鍵を掛けるのだろう。

 日本の景気が良くならないのは死に金だらけだからだ、と分かっていたとしても、我々は人を疑うことしか出来ない時代になったのかもしれない。

おわり

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