見出し画像

不安を解消したいものだ

 不安という感情は困ったものだ。
 突然に襲ってきてなかなか立ち去ろうとはしない。一度起きた不安は時間とともに薄れていくこともあるが、いつまでも残り続けることも多い。まるでゾンビの如く、ふとしたときに思い出して蘇り、そうなると再び追い掛け回される時間が暫く続く。

 飼い猫を見ていると、ごくたまに不安そうにしているのを見かけることがない訳では無いが、ほぼ無いに等しい。
 犬の場合は、遠吠えが不安の現れだとすれば、ちょいちょい不安に駆られている様子だ。
 人間の場合は不安で遠吠えする人はまずいないから分かりにくい部類だ。

 不安になると心拍数が上がる。このことから考えると、動物が不安を抱くのは危険な場所からすぐに移動するためなのだろう。川の増水など物理的な危険が迫っていることによる不安なら移動することで不安は落ち着く。しかし、人間の場合は物理的な不安に加えて心理的な不安もあって、寧ろこちらの方が多い。
 不安が不安を呼ぶこともあるから全く持って困ったものだ。そんなことを考えているだけでも不安になる。

 今まで正しいと思っていたことが疑わしいと思い始めたときに抱く不安は、生命の存続を脅かされる思いにもなって危険を感じる。動悸が激しくなり血の気が引いて卒倒しそうになる。それでも畳み掛けるように不安が襲ってくる。
 逃げ出そうにも逃げられない状況や逃げ出し方すら分からない状況には絶望を感じざるを得ない。

 不安を和らげるには、普段から運動をして身体的負荷に晒される訓練をするとか、呼吸法をして副交感神経の働きをコントロール出来るようにしておくなど対策法がない訳では無いが、それが出来ていれば不安に押し潰されそうになどなってはいまい。

 他人からは見えない心の問題は、抱え込むと良くないからとにかく早く人に話すなどアウトプットするように心掛けているが、タイミングを逸して嵌まってしまうと簡単には抜けられない。
 この脳の働きはなんとかして欲しいものだ。

おわり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?