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本当に言いたいことは言えない

 どうでもいいことや、世間話等のちょっとしたことならいくらでも言えるけれど、本当に言いたいことはなかなか言えない。
 それが夫婦ならなおさらだ。

 世の中の夫婦の中には、ちゃんとお互いを理解しあって、言いたいことを言いあって、仲良く過ごしている人たちがいっぱいいる。
 お互いにリスペクトしていて、配慮のあるちゃんとしたコミュニケーションが出来ているのだろう。お互いが大人なカップルだ。

 しかし、残念ながら我が家は違う。簡単に言えばお互いが子供のカップルだ。
 多分大人なカップルに比べてて最初から子供だったし、言葉が足りない上に会話の時間が圧倒的に少ないのだろう。
 会話の単なる時間数というよりも、相手のことを理解しようとして会話しているか、日常を過ごしているかだと思う。
 結婚して相手に対して興味が無くなった、子供が出来てより興味が無くなった、という人もいるだろう。一方でそうでない夫婦もいる。

 身近で生活を共にしていると、相手のことを知った気になってしまって、実は全然知らないということもある。
 人は時とともに変化していく。夫婦の場合はお互い同士の認識をのアップデートを常にしていかないと、いつの間にか価値観が違っていることに気が付かないなんてことにもなる。早く気が付けば修正もきくが、そうで無ければ巻き戻しは難しい。
 そうしたアップデートエラーが続けば、修復不能になる。

 本当に言いたいことも、言わないで放置すればするほど埋もれていってしまう。言えないことで解決されず放置されたままの不満は、何年かすると原因不明の不満となって噴出するようになる。
 何かわだかまりがあって不満を感じるのだけれどそれが何なのか分からないときは、過去に言えずにいた本当に言いたいことが何であったか思い返してみると良い。
 今さら言っても仕方が無いとか、今から言うのはフェアじゃないと言われそうと思うかも知れないが、もしそれが本当に言いたいことなのだとしたら言っておいた方が良いと思う。

 本当に言いたいことは、いつもの愚痴などではなく、地中深くに埋もれていて根の深いところにある。それこそが不満や愚痴の源だということに、なるべく早く気がついた方がいい。
 本当に言いたいことは言えない。時間が経てば本人も分からなくなってしまうから。

おわり
 
 

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