② 教材に見る表現の工夫
なぜ、表現面を工夫しなければならないのでしょうか。
それは、①で視聴いただきました「ターミネーター人形の動画」でも述べていますように、「主張(自分の伝えたい思い)に説得力を持たせるため」ためです。
そのために最も重要なことが、「胸筋を厚くしていくこと」(=「『なか』を詳しくしていくと」)となります。日常の生活でも「データを基に」「エビデンスを明確に」などと言われていますが、それらはこのことに他なりません。
これから先に読んでいただきたいマガジン「小学校の国語科の授業⑦ 説明文編(どう教えるのか)」で取り上げました教材『すがたをかえる大豆』『アップとルーズで伝える』では、「なか」を詳しく(しかもわかりやすく)するために写真を使用しています。
『すがたをかえる大豆』で伝えたいことは、「おわり」にある「大豆はいろいろな姿で食べられている」ということです。そのことに説得力を持たせるために構造面の工夫では「多数」かつ「多様」な具体例を「なか」に位置付けました。表現面では、そのそれぞれの「なか」に書かれている具体的なものを読み手によりよくイメージしてもらえるための工夫が必要になってきます。その一つの手段が写真や絵や図表などを使っていくという手法となります。
『アップとルーズで伝える』においても写真が使われています。アップやルーズでどのようなものが見えるのかということは、文章で説明することも重要ですが、写真で示せば一目瞭然にイメージ化できることになりますので。
マガジンで取り上げた教材では「写真の使用」という工夫しかありませんが、実際の表現指導ではこれだけではまったく足りません。
まずは「写真の使用」の前に、文章そのものを詳しく書いていくことが大切になってきます。
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