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深く考える力の身につけ方。

今日は書籍のご紹介です。最近読んで、非常にためになった一冊です。中でもデザイナーの皆さんにおすすめしたい本です。

この本は5日間(5章)に分けて、自分の考えを形成するためのノウハウが書かれています。読んでいて「あれ、これはデザイナーにも求められていることだ!」と感じたのでシェアしたいと思います。デザイナーとして自分自身に足りていない能力は「課題に対する分析力・追求力」であると感じていて、それらはつまり「考える力」でもあります。では、どうすれば考える力を養い、自分の考えにして伝える事ができるのかがこの本に書かれていました。

2日目: 考えるワザを習得する基本キット

参考になったのが2章からなので、2日目から要約します。日常生活の中で、ある対象物に接したら「必ず比較して考える」という思考習慣をつける事が大切だそうです。その差異に着目する事で対象物の特徴が分かり、考え続ける事ができるようになると書かれていました。この習慣が身につけば少なくても「分からない」と答える事はないのではとしています。

3日目: 行動の習慣を変える

では、どのようにその習慣をつけていくのか。最も効果的な方法としては「概念を探す」事から始めると良いそうです。日常的に概念を探して当てはめる視点を持つ事で形成されます。動物に例えるなら「犬」という言葉は概念であり、それに関連した言葉として「芝犬」であったり「チワワ」などは私たちが明確に認識できて「犬だ」と当てはめる事ができます。このような概念を探しては柔軟に言葉を使いこなすことが「考える」という事だと著者は言っています。

また、一流の人間には「遊び心」がある人が多いです。日々緊張を強いられる人こそ、新しいことにチャレンジし、固執せずに色々と試す心の余裕を持つが重要で「ダメなら引き返せばいい」くらいの気持ちでいると良いものが生まれたりします。

4日目: 「自分の考え」を深める読書術

問題は思考の粘りです。考えたと言えても、考え抜いたといえる習慣が身についている人はどれくらいいるでしょうか。そういった点で、本を読むことで長く思考し続ける力が鍛えられます。この粘りは日頃から鍛えるしかないのです。考えるとは、何かに刺激を受けることで、知的な好奇心が旺盛な人は考える力が強いとも言えます。自分が興味を持つこと、刺激を受けることをたくさん増やしていくのが考える力になります。だから何かに触発される感度は普段から高めることが重要で、デザイナーが行うべきインプットとアウトプットの重要性もここで説明がつきます。

最近は薄っぺらい考えしか持てない人が多く、情報が溢れているせいもあり、なかなか深く考える習慣が身につかない環境になりやすい状況にあります。その対策として著者は古典を読むことで先人の深い思考に触れることができ勉強になると言っています。また、読書で得た知識は自己アピールにも繋がるとし、読書で感じたことを自分の体験として自分の考えに付け加えることで「自分らしさ」や「個性」になります。最近は教養は着目されていて、ものごとの本質を捉え、溢れる情報を整理する力が求められています。そのためには言葉に注目し、引っかかりのある言葉、面白い言葉を選ぶことです。それが集まると自分の考えになります。

5日目: 意思決定が速くなる思考術

考えることの最上級は意思決定です。デザイナーが幾度となく行なっている行為です。意思決定には責任が伴います。批判も出るかもしれません。しかし、それを受け止め乗り越えると意思決定する能力が身につきます。基本的には、メリットとデメリットを全て挙げて検証することです。ネガティブな面を洗い出すことで開き直り、どんな失敗も想定内になり自信につながります。

意思決定が速い人は経験と想像力が豊かで、自分のスタイルを確立しています。普段から質の高い意思決定をする事が重要なのです。デザイナー視点で言えば、あらゆるケースを検証して想定内を増やすことで決断(自分のデザイン)に自信が持てるはずです。直感で決めるファストシンキングと時間をかけて考えるスローシンキングを合わせる事が大切になってくるのです。

自分の考えを持つには、データを持ち、視点を提示してアイデアまで出すことです。そうすれば議論の結果は関係ありません。繰り返しになりますが考える力は考え続けることなのです。

最後に

著者も言っていましたが、情報が溢れて慌ただしい日常では直面する問題にとりあえず対処するのがやっとかもしれないが、「自分にとって何が理想か」、「会社ではなく社会のために何ができるか」が重要で、つまりデザイナーとしてキャリア形成をしっかりを考えて、社会やユーザーの事を考えるようにしていくことが必要だとこの本から再認識しました。

都内でUIデザイナーしてます。Web業界のデザインについて、UI/UXデザイナーのキャリアについて自分の考えを書いています。最近は特に欧米と日本のWeb業界の動向も気になってるので積極的に情報をインプットしています。クリエイターさんからのフォロー大歓迎です☆