仁衡琢磨@著書「ことばがこどもの未来をつくる -谷川雁の教育活動から萌え出でしもの-」上梓!

クラシックを中心に音楽全般、文学、美術、映画、独り旅が好き。茨城県出身、在住。ラボ・パ…

仁衡琢磨@著書「ことばがこどもの未来をつくる -谷川雁の教育活動から萌え出でしもの-」上梓!

クラシックを中心に音楽全般、文学、美術、映画、独り旅が好き。茨城県出身、在住。ラボ・パーティ出身。 2020年8月に初めての著書「ことばがこどもの未来をつくる -谷川雁の教育活動から萌え出でしもの-」を上梓。

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著書「ことばがこどもの未来をつくる -谷川雁の教育活動から萌え出でしもの-」刊行!

 私の初めての著書が、2020年9月15日付で、アーツアンドクラフツ社から刊行されました。掲げた画像はその表紙・背表紙・裏表紙です。以下内容をご紹介します。 ひとことで言えばこんな本教育運動家・谷川雁の「ことば、物語、表現」活動で育った著者が世に問う生き方と実践、「谷川雁ラボ作品」体験記、同時代表現者論考 もうちょっと具体的に言えばこんな本 一般的には「詩人・思想家」として知られる谷川雁、その後半生は子どものために生きたものであった!彼の定義に「教育運動家」も追加するべき

    • バッハ・コレギウム・ジャパンでカンタータを聴く歓び

      コラールカンタータ300年シリーズを聴く  今年2024年から来年にかけてバッハ・コレギウム・ジャパン(以下BCJと略す)は「コラールカンタータ300年」と銘打って40曲のコラールカンタータを4曲ずつ10回にわたるシリーズで演奏している。  コラールカンタータとはルター派が整備した讃美歌集(コラール)を素材として作曲されたカンタータのこと。従来カトリックの教会では合唱団がラテン語で歌っているのを会衆は聴くだけだったのに対し、ドイツ語で会衆がみんなで歌うということを目指しルタ

      • 愛棋家、指宿に行く

         将棋を指すのも、観るのも好き。愛棋家の私にとって薩摩半島南端の指宿(いぶすき)は、いつか行きたいけれど遠くて行けない、そんな場所だった。  鹿児島砂むし温泉指宿白水館は竜王戦の舞台となることが多く、最近で言うと1年半前の第35期竜王戦、藤井聡太竜王と広瀬章人挑戦者が対局翌日に仲良く砂蒸されている写真が印象深い。  そんな「行きたいけれど遠い場所」がグッと近づく機会があった。鹿児島市まで出張で来たのだ。何とか指宿までは足を延ばせそう。本当は白水館に宿泊したいところだが、あい

        • 薩摩の外城、武家屋敷群「麓」を歩く

          (外城は「とじょう」、麓は「ふもと」と読む) 薩摩藩の本城、鹿児島城(鶴山城)  1601年、関ヶ原合戦のあと、島津家久が鹿児島城(鶴丸城)の建設に着手したとき、父義弘は「ここは海に近すぎる」と反対したという。しかし家久はそれを押し切って建設を進める。すぐ裏手にある城山の上に山城として築くのではなくその麓に平城とし、かつ天守閣を置かずに館とした家久。父の時代とは既にもう違う時代が来ている、それを敏感に感じてのことだろう。  「城をもって守りと成さず、人をもって城と成す」が

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        • 人生における全ての事は物語
          38本

        記事

          知覧特攻平和会館

           2024年7月の日曜日、12時間のレンタカー旅。主目的地である知覧特攻平和会館に到着。途中思わぬ寄り道で思索に耽った私だったが(下掲)、 朝早く8時過ぎには鹿児島市を出たのが功を奏して、10時半には着いたろうか。そこから気が付くと3~4時間をここで過ごしたのだった。 いまだ若き青年たち  平和会館の中には特攻で命を落とした青年たちの写真が数多貼られている。それら1枚1枚を、顔立ち、年齢、出身地など見ていくと、短かったそれぞれの人生が思われ、時があっという間に過ぎていっ

          廃仏毀釈を逃れて -清水磨崖仏群-

           昨日は夕刻に仕事を終えて数時間、鹿児島市内を散歩で旅した。  明けて今日は1日オフ。薩摩半島を知覧・指宿を中心として巡るつもり。鹿児島中央駅そばでレンタカーを12時間借りて、さあ、出発。  一路、知覧へ。指宿スカイラインで一気に南下したが、レンタカーのナビは知覧ICまで行かずに手前の川辺ICで下りるようにと指示を出す。素直に従って高速を下り、一般道を進んで行くと「清水(きよみず)磨崖仏群」という案内板が目に入る。磨崖仏にも目がない私、「一路」は撤回して、寄り道開始。これ

          鹿児島市街散歩旅、西郷さんを中心に

           出張で来た鹿児島、3日間にわたった業務が16時に終わった。7月も下旬、まだまだ日は長い。市街を巡ることとした。 鶴丸城(鹿児島城)  まずは鶴丸城(鹿児島城)へ。御楼門を入ってすぐにあった西南戦争時の弾痕が無数に残る城壁に胸が痛む。  城跡にある鹿児島県歴史・美術センター黎明館へ。常設展示室にて薩摩・鹿児島の古代から現代に至る展示をじっくり拝見。城跡には篤姫の銅像もあり。 西郷巡りスタート、終焉の地から遡る  さてここから、西郷巡りスタート。まずは終焉の地へ。城跡

          『殺人狂時代』演説の典拠はいずこ?

           拙著『ことばがこどもの未来をつくる -谷川雁の教育活動から萌え出でしもの』(2020年8月 アーツアンドクラフツ) 初版の223ページ 注6で、私は以下のように記しています。  ここには誤記があり、正しくは「オランダの哲学者エラスムスは」とすべきでした。謹んで訂正致します。エラスムスはギリシア語やラテン語で文筆活動をした人であったため、つい「ギリシアの」と誤記してしまったものと思われます。正しくは「ロッテルダムのエラスムス」と言われたぐらいの人なのですから、当然「オラン

          著書「ことばがこどもの未来をつくる -谷川雁の教育活動から萌え出でしもの-」第二版が発行されました!

           2020年9月15日に上梓となった初めての著書、このたび初版の誤記を修正した第二版としてアーツアンドクラフツから発行されました!版を重ねることが難しいこの時代に、このように第二版刊行を見て、嬉しい限りです! 掲げた画像はその表紙・背表紙・裏表紙です。以下改めて内容をご紹介します。ご興味有りましたら、書店、オンライン書店、あるいは後述する特別頒価直販サイトなどでお買い求めくださいませ。 ひとことで言えばこんな本教育運動家・谷川雁の「ことば、物語、表現」活動で育った著者が世に

          著書「ことばがこどもの未来をつくる -谷川雁の教育活動から萌え出でしもの-」第二版が発行されました!

          ジャズ喫茶 ベイシー -Swiftyの譚詩

           土浦セントラルシネマズへ。ドキュメンタリー映画「ジャズ喫茶 ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)」を観た。土浦セントラルシネマズは、全国チェーンあるいは外資のシネマコンプレックス全盛の御時世のなか、単館で頑張ってくれている地元のミニシアター。一時期シネマ1~4の4スクリーンを擁するシネマコンプレックス様態になったりもした歴史もあるようだが、現在はシネマ1のみの1スクリーンでの営業になっている。昔ながらの映画館の風情もあり、また映画にかける熱い思いが掲示物から溢れてい

          「北脇昇 一粒の種に宇宙を視る」展

           竹橋にある東京国立近代美術館へ。車で往復。お目当てはギャラリー4で開かれている「コレクションによる小企画」である「北脇昇 一粒の種に宇宙を視る」展。事前に東京国立近代美術館のWebサイトにて公開されている解説動画、NHKの「日曜美術館 アートシーン」にて予習してから出かけた。そのおかげで、より一層楽しめたし、そして思いがけぬ絵と出逢えた、大変収穫の多い美術展であった。 (東京国立近代美術館のサイトを以下に紹介する。解説動画がお勧め) *本展は既に終了しています 思いが

          ¥500

          映画「パリの恋人」

           長女がオードリー・ヘップバーン好き、ということで一緒に観た。原題Fanny Face。1957年の映画。 Empathy 劇中のオードリー演じる書店員ジョーがかぶれているフランスの思想が「共感主義」として登場。ジョーが熱く語るには「Sympathy(同感)ではなくてEmpathy(共感)を大事にする思想なんだ!」と。最近も良く聞く考え方だな。63年前の映画で取り上げられていたとは驚き。  結局ジョーが憧れていたパリ在住の共感主義提唱者フロストル教授はちょっと怪しげな教祖的

          取手の重要文化財を観る

           茨城県取手市には国の重要指定文化財が一つある。知らなかったなぁ! 早速行ってみた。県指定文化財一つも訪った。ここに記録しておきたい。 龍禅寺三仏堂 天台宗のお寺。米井山(べいせいざん)無量寿院と号す。924年あるいは939年の創建と伝えられる。裳階(もこし)が左右と背面にある。裳階とは「本来の屋根の下につけた差しかけの屋根」とか「仏堂・仏塔などの軒下壁面に取り付けた庇(ひさし)状の構造物」などと説明されるもので、屋根の下に屋根があるという感じのもの。これが三方につくという

          この時代に音楽を聴くということ -メシアン「世の終わりのための四重奏曲」

           日曜日は水戸芸術館コンサートホールATMへ。なんて久しぶりなんだろう…遂にこの日が。頻繁にここに通って一流の音楽を聴けていた頃は遠い昔のよう。最後にここでライヴの演奏を聴いたのは8カ月近く前、2月2日の第105回水戸室内管弦楽団定期演奏会だった。  頻繁に演奏会を聴いていた私。今年の出だしもいつも同様だった。挙げてみよう。 1月17日 エッシェンバッハ指揮N響@NHKホール 1月24日 サロネン指揮フィルハーモニア管@東京文化会館 1月27日 モルゴーア・クァルテット@

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          加波山事件/修験道の山、加波山に登る

           秋の一日、小六息子Kと加波山に登った。このご時世、遠足も修学旅行もない六年生。せめて四連休に父と二人遠足を、と企画。  茨城県南には小学生と、普段運動をしていない父親とに、ほどいい高さの山が豊富にある。丁度一年と一日前、去年の9月21日には当時小五だった双子息子KとTと三人で宝篋山(標高461m)に登ったっけ。  今回は小六双子のうちKと二人。彼に一年前に買った登山靴はもう小さくて履けないという…。たった一回しか履けなかったか…もっと山に登るつもりだったが…本を書いていたの

          結城合戦/与謝蕪村青春の地、結城

           秋の一日、小六息子Tと二人、結城市(茨城県)へ。  小六双子、秋の遠足も宿泊学習も、何もかも無くなってしまってかわいそう。せめてお父さんとの秋遠足を企画しました。翌日は小六息子Kと別の企画。双子だからと一まとめにして扱うのも良くないなと別々に。 結城合戦に興味を持った息子T なぜ結城市か。それはTが集英社版・学習漫画「日本の歴史 9 室町幕府と一揆の世」で結城合戦を知り、興味を持ったから。全20巻のうちのたった2ページしか割かれていないことだけど、少年の心には突然何かが刺