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政治に無関心であるが故のディストピア『徴産制』

総理大臣の辞任が発表されました。思うところはたくさんあるのですが、話していると冷静さを失ってしまうところや、まとまらなくなってしまうため多くは語りません。

行政の変化は仕事面でも大きいため、日頃から関心は抱いていましたが、より生活に直結する事でこの怒涛の数ヶ月の間に政治に関して考えることが増えました。

しかし政治の話を家族内でしてもあまりよい顔をされず、数人の友人やツイッター上でないと政治に関心があると声に出して言いづらいところがあります。よくツイッターにある表現ですが自分のTL上は投票率100%なのに実際の投票率をみるとガックリする事もあります。しかし自分の兄弟も投票に行っていない現実をみると、これがリアリティなのかなと感じるところもあります。

政治に無関心でいる事、投票率の年齢の偏りで本来未来を作っていくための若者が割りを食う事が増える事。実際にあり得なくはないディストピアを描いた作品が『徴産制』だと思っています。

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2092年。新型インフルエンザの蔓延により10代から20代女性の85%が喪われた日本では、深刻な人口問題を解決するため、国民投票により【徴産制】の施行が可決された。住む場所も立場も異なる五人の【産役男】たちが、産役によって見つけた「生きる意味」とは。前時代的な価値観を笑い飛ばし、未来に託すべき希望を描く感動作。

(出典:新潮社 https://www.shinchosha.co.jp/book/335352/)

公式に笑い飛ばしって書いてあるんですけど私はひたすら恐怖でした。未来に託すべき希望よりも、制度が決まるまでの成り立ちがあまりにもリアルだなと個人的に思い、なんてすごい作者だと思い、性転換を義務付けられた産役男達はもちろん、住環境やジェンダーバイアス、生き残った女性に対する差別に関しても、あり得るかもと思わされました。

今回このnoteを書こうと思って公式の紹介文を見たらあまりにも自分の印象と違いびっくりしました。希望ではなく絶望が見えてしまったのは私だけなのでしょうかと今考えています。

自分の一票で何も変わらないと思っている方にぜひ読んで頂き、自分が選挙にいかないと・政治に関心がないとこうなるかもしれないという世界をぜひ味わっていただきたいです。

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