『今日から俺は!!』、『俺フィー』、『うしとら』、『H2』・・・・あの頃のサンデーをもう一度!1995年~1999年頃の『週刊少年サンデー』
※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部)
【レビュアー/小林 琢磨】
「あの頃のサンデーは良かった!」なんて言うと僕もずいぶん歳をとった気がするのだけど、どんな雑誌にも全盛期と呼ばれる光り輝く黄金時代があり、それを懐かしみながら友人と酒を飲むのは漫画好きの至高の一時だろう。
この一杯のために生きていると言っても過言ではない。
大切な事なので先に言っておくと、今のサンデーがつまらないといった話ではない。今のサンデーには今のサンデーの良さがある。
ただ事実として1995年~1999年頃の週刊少年サンデーは神がかっていた。
ジャンプ黄金時代(『ドラゴンボール』、『幽遊白書』、『SLAM DUNK』が同時期に連載されていた時期)と比べても遜色のないラインナップ!!
しかしながら世間一般的にはあまり認知されていないサンデー黄金時代の数々の名作を今回は紹介したいと思う。
過去を振り返って未来に繋げる事が代々受け継がれてきたツェッペリ家の魂なのだ!
サンデー黄金時代のラインナップ
【1995年】
『らんま1/2』
『帯をギュッとね!』
『うしおととら』
『今日から俺は!!』
『行け!!南国アイスホッケー部』
『GS美神 極楽大作戦!!』
『俺たちのフィールド』
『H2』
『ジーザス』
『LOVe』
『名探偵コナン』
『MAJOR』
『ガンバ!Fly high』
『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』
『DAN DOH!!』
『烈火の炎』
【1999年】
『犬夜叉』
『め組の大吾』
『WONDER SCHOOL BOY』
『SALAD DAYS』
『モンキーターン』
『からくりサーカス』
『タキシード銀』
『ARMS』
『神聖モテモテ王国』
『風の伝承者』
『なぎさMe公認』
『デビデビ』
よ、読み飛ばす作品が・・・ないっ!!
『今日から俺は!』の三橋の卑怯さに憧れ、『行け!!南国アイスホッケー部』のシーモネーターのネタで一晩中笑い、『俺たちのフィールド』のリザーブ・ドッグスの熱さに胸をときめき、『H2』の木根の甲子園での完投に感動し、『DAN DOH!!』の赤野さんのパターパットに震え、『うしおととら』の秋葉流の台詞に号泣し、『烈火の炎』や『ARMS』では(黒歴史により省略)・・・
勿論その後のサンデーにも名作は沢山存在する。
『いでじゅう』、『うえきの法則』、『金色のガッシュ!!』、『結界師』、『史上最強の弟子ケンイチ』、(初期の頃の)『ハヤテのごとく!』、『ブリザードアクセル』、『絶対可憐チルドレン』、『銀の匙』・・・
「あの頃のサンデーは良かった!」と言うのは、今を嘆いて単純に美化された思い出を語っているのではない!僕らが期待しているのは常に今のサンデーなんだ!
雑誌離れと叫ばれる今の時代、確かに昔と今では漫画を取り巻く環境は変わってしまったのかもしれない。学校での回し読みや部活帰りのコンビニでの立ち読みは最近ではあまり見られない。しかし現状を環境のせいにして「昔はこうだった!」と不満を言って過去を美化する事に何の意味があるだろうか。
1995年?1999年頃の連載陣だって、その当時は黄金時代なんて全く呼ばれていなかった。
むしろジャンプ黄金期の影に隠れて世間一般ではあまり知られていない。
常に時代を切り開くのは新しいチャレンジャーのはずである。
黄金時代という大きな壁をぶち壊す事が出来るのは今の連載陣だけなのだ!
僕はこれからのサンデーに期待したい。
いやサンデーだけでなく、これからの漫画業界に期待したい。
あの頃のサンデーをもう一度!
僕らはいつだって面白い漫画を求めている。