四六時中キチッとして社会に馴染むことが難しい人たちへ、エールを送る物語『ダルちゃん』
※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部)
【レビュアー/堀江貴文】
この漫画は、ダルダル星人のダル山ダル美、通称「ダルちゃん」が主人公という一見なかなか香ばしい設定なのだが、ダルちゃんは実は一種のメタファーであり、四六時中キチッとして社会に馴染むことのできない人たちの様子の比喩であることが見て取れる。
人と同じことを常に求められる日本的村社会、常識などになかなかついていけない人たちの物語なのだ。
しかし、そんなダルちゃんも頑張って普通の派遣社員OLになり、いわゆる誰にでもできる仕事をしながら時には周りに流され、友達ができたりして、恋愛や仕事に翻弄されていく。
そんな中で自分の本当にやりたいこと、本当に好きな人を見つけていったりする。
好事魔多し。そんな時にも、人生の矛盾は悲劇の運命を叩きつけたりするものだ。
ダルちゃんもそんな仕打ちに耐えて行かねばならない。
この漫画は社会的な平均値の人間にちょっとついていけない人たちが、なんとか頑張って自分の人生を生きていく物語であり、そんな人たちにエールを送るお話であると感じる。
そんなたくさんの人たちが、社会のなかで一生懸命に頑張りながら生きていることを実感させる作品だと感じた。