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ホリエモンがSNSというバカ発見装置の中から認めたユニークなルポ漫画『ゴミ清掃員の日常』
※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部)
【レビュアー/堀江貴文】
夢を諦めない人たちのいかに多いことか。
実は日本はデフレで生活コストが下がっているので、稼げない状態でも長いこと夢を追いかけられるいい環境にあるのかもしれないと思う。
一昔前なら芸人を目指してた人は30歳とかを節目に諦めてサラリーマンなどになっていたのに、この作者は「42歳で」「結婚もしていて」「幼い子供が2人もいる」のに、全く売れない芸人を20年以上も続けているのである。ある意味良い時代に生まれたとも言えるだろう。
そもそもそんな状態で子供2人も作ってしまう感覚が浮世離れしていて謎ではあるのだが、20年以上も売れない芸人を続けられる強靭なメンタルが故の行動なのであろう。
当然ながらバイトしないとやってられないのだが、彼が選んだ、というより選ばざるを得なかったバイトが「ゴミ清掃員」なのである。
確かにやりたがる人はほとんどいないし、重労働なので給料はまあまあ良いし、日給で貰えるので日銭稼ぎとなる。
彼はそして、ほとんど誰も実態を知らない「ゴミ清掃員の日常」をSNSで描き出した。
そうしたところ、これまでで彼の一番のヒットともいえるこの作品が単行本としてまとまったのである。
読んでみた。
ルポ漫画としての完成度はそれなりに高く、読んでいてストレスを感じない。むしろ彼は漫画家の才能があるのではないかと思うくらいだ。
というか、多分そっちをメインにして、オマケで芸人をやってることにしたほうがいいかもしれない。
ゴミ清掃員のお話は置いといて、SNSは秘めたる人間の才能を表にしてくれるありがたい存在だなぁとしみじみ思う。
もちろんその逆も真なりで、馬鹿発見装置でもあるのだが。