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ホリエモンも犯行現場に暗澹⁉️淡々と救いのない話が続く『報復刑』 は読むほどに後をひく面白さ

※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部)

【レビュアー/堀江貴文

現代では人権的にありえないであろう「報復刑」。

殺人犯に対し、遺族がその殺人犯の手口と同じ方法で犯人を殺すという「目には目を、歯には歯を」を地でいく刑罰がもし日本に存在したらどうなるか、という世界を描いたのが本作品だ。

果たしてその社会は幸せな社会なのだろうか。

この作品、報復刑のプロセスを全て描くので残忍極まりなく、グロ系の描写が苦手な人にはあまり向いていないかもしれない。

さらに犯行現場の手法も描かれるので、この世界って残虐な人たちがこんなに存在するのかと暗澹たる気分にさせられるかもしれない。

人口当たりの残虐事件の発生確率は相当低いのかもしれないが、これは実話をベースにした残虐犯罪であり、生身の人間が体験したことだと思うと恐怖を感じる。

被害者家族が報復をするというルールなので、家族が家族を殺害した場合、その家族が報復をすることになるという悲惨な運命が待ち構えている。

殺人の半分近くが家族の殺害というデータもあるので良くあることだとも言える。

38カ所めった刺しの犯罪者には、38カ所の報復をすることが許される……。

また、当然ながら一定確率で冤罪も発生する。冤罪で捕まって残虐な殺され方をするとか本当に悲惨な運命としか言いようがない。

しかし古代にはこのような刑罰が普通に存在したことを考えると、その対象者にならなくて本当に良かったなと感じること間違いなし。

読後感は全然良くないが、ついつい読んでしまう漫画である。