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発見率0.01%のものも?! 久保帯人氏の伏線がすごすぎて何度読んでも新しい発見がある『BLEACH』

【レビュアー/

2021年に連載開始20周年を迎えた『BLEACH』は今年かなり大きな動きがありました。

連載開始からちょうど20年経った『週刊少年ジャンプ』36・37合併号に掲載された73ページの新作読切(読切?)は世界に激震を与えました。僕にとって『BLEACH』は一番好きな漫画なのですが、「僕は『BLEACH』のことを何もわかっていなかった…!?」と衝撃を受けました。

※読切を0時に読んでから、そのまま寝ずに4時間かけてなんとか書いた筆者の個人noteです。

また、久保帯人先生の公式ファンクラブ「KlubOutside」も充実のコンテンツで、特に毎週月曜日に更新されるQ&Aは『BLEACH』の本編で仄めかされた設定に鋭く切り込んだファンの質問に久保先生が自ら回答することで、ファン大歓喜の「答え」が明かされることも少なくありません。

そして、2021年12月18日に開催される「ジャンプフェスタ2022」の『BLEACH』ステージでは、アニメファン待望の終章「千年血戦篇」の続報が発表されます!

12月18日は『BLEACH』初の原画展「BLEACH EX.」の初日でもあります。原画を見られるだけでも楽しみしかないのに、公式PVのクオリティがすごすぎてレイアウトやその他の要素にも期待しかありません…!

11月15日からは入場チケットが一般販売されていますので、久保帯人先生の原画を見たい方はぜひ、こちらもチェックしてみてください。

2022年も『BLEACH』の熱が冷めることは無さそうです。

そんな『BLEACH』ですが、本作において物語の伏線がすごいことは皆さんご存知でしょうか。

小説版の「Can't Fear Your Own World Ⅱ」の後書きで久保帯人先生自身が言っているように、伏線のレベリングを設定しており、中には1万人にひとり気づけばいいものもあるとか……!

というわけで、『BLEACH』の伏線がすごいぞ! という話をさせてください。

読み込むことだけでなく予想を付け足して、明かされていない設定を解き明かす、いわゆる考察も楽しいのですが、物語の構造そのものが後の展開を示唆する伏線になっているところが特に好きです。

物語中盤の「破面篇」のボスキャラである「十刃」との戦いの構造が終章「千年血戦篇」の伏線になっている組み合わせがいくつもあり、朽木白哉vsゾマリ・ルルーはエス・ノト戦と繋がっていて、「目」の意匠をゾマリとエス・ノトが持っている共通点や、ルキアの立ち位置が変化するのが面白いです。

上記のような話を2つばかりさせてください。

京楽春水vsコヨーテ・スターク

「破面篇」では八番隊隊長の京楽春水は「千年血戦篇」で総隊長になります。護廷十三隊の総隊長は一番隊の隊長であり、「十刃」(エスパーダ)のNo.1であるスタークと戦ったこと自体が、後に京楽が総隊長となる伏線になっていたと今では思えます。

二人のわかりやすい共通点は眼帯でしたが、もう一つ気になる点があります。京楽の斬魄刀「花天狂骨」は二本の刀から成る珍しい斬魄刀でしたが、元は一つの力が二つの力に分かれたものであり、スタークとリリネットの関係に通じるところがあります。

京楽が「千年血戦篇」で戦うことになる滅却師のリジェ・バロは、スタークと同じ銃使いというのも面白いポイントです。

更木剣八vsノイトラ・ジルガ

ノイトラの腕が増える一方で、腕を一本に束ねて勝つ剣八…など、戦いでの対比が作中で一番決まっていると思える最高のバトルなんですが、彼らにはそれぞれネリエルと卯ノ花八千流という、その強さに憧れた女性がいました。

ノイトラの背後にネリエルがいることを念頭に当時しっかりと読み込んでいたら、剣八の前にやがて八千流という女性キャラが現れるのがわかったのでは…?と思うと、少しばかり悔しさがあります。事実、剣八は「千年血戦篇」で卯ノ花八千流と死闘を繰り広げることになります。

ちなみに、ネリエルは小さい姿になったネルという存在がいることと、八千流と同じ名の(というか剣八が名付けた)草鹿やちるがいるという対比は、ノイトラと剣八の対比を考えた時に凄すぎる対比だと思います。

このように『BLEACH』の伏線には思いも寄らない対比や関係性が沢山あります。

その辺の話も言及している74日間連続で書いた長文noteもありますので、『BLEACH』が好きな方はもしよければ読んでみてください!

そして、よければ皆さんの好きな伏線も教えてください。

一緒に『BLEACH』の世界に深く潜れると嬉しいです。