”大人”の重要性-コーチング・メディカルスタッフ-

以前、これらのnoteを書きました。

ただ、選手だった頃の自分がこれらのことに気付くのは、厳しいとも思うようになりました。

そんな中、スポーツにおいて、コーチング・メディカル含むチームスタッフの重要性は大きいと思うようになりました。

年代によりその役割は異なると思いますが、選手のポテンシャルを引き出すのはやはりチームスタッフです。



頭打ち

子供は極端に言うと、初めは無能です。

表現が悪いですが、当たり前のことです。

ごく稀に天才的な子供もいますが。

何が無能かと言うと、競技能力がないことや、競技能力を向上させるための方法がわからないということです。

スポーツをやり始め、最初は上達しますが、そのうち頭打ちになる子がほとんどではないかと思います。

そう、中々上のレベルに上がれないのです。

例えば、自分が中学生だった時、1年時の1年生大会と、2年時の新人戦、3年時のクラブユースや高円宮杯、大体上位のチームは同じでした。

前回はベスト4だったから、今回は決勝に行って優勝するぞと意気込んでも中々勝てませんでした。

練習はやっているのです。

質が違うのだと思います。



練習の質とは①

質を高めようと言いますが、それは何?と思う人もいると思います。

緊張感や集中力といった雰囲気も大事です。

パス1本やトラップ1つなどの1つ1つのプレーにこだわる意識も大事です。

意識することは個人でも出来ますが、これらが出来るようなコーチングスタッフの投げかけが大事だと思います。

人間は楽をする生き物です。

選手はプレー中は息が上がったりして苦しさを感じているはずです。

少しでも楽をしたいと思って当然です。

そこでコーチングスタッフが上記で述べたことが出来るように促すことが求められてくると思います。

この時に注意することが、口調・感情で伝えないということです。

人間は言葉自体の内容よりもその時の話し方でその言葉の意味を解釈します。

なので、怒りや圧力で上記のことを促しても、意味はないのです。

最終的にプレーするのは選手です。

だからといって、放置プレーするのは無責任だと思います。

コーチングスタッフの指導や雰囲気作りによって、選手が上記のことが出来るように、またコーチングスタッフがいなくても、最終的に選手間だけで出来るようになれば良いと思います。



練習の質②

特別な練習をやっているチームはないと思います。

結局、基礎基本を究めたチームが勝ちます

サッカーなら、正確に止める・蹴る・運ぶ、速く・たくさん走る、最後まで戦うのこの5つをよりハイレベルで出来るチームが勝つと思います。

これらを究めるには練習するしかありません。

多くの様々な方法があります。

ここでコーチングスタッフの力量が試されます。

目的や意図が明確であり、それが選手に伝わるかどうかでその練習の質が変わります。

あと、コーチングスタッフに学びの向上心があるかどうかです。

経験だけで指導するには限界があります

経験だけの指導だと、指導側が指導される側にいた時のレベル位にしか到達は出来ないでしょう。

なぜなら、そのレベルの指導だったからです。

おそらく経験だけだと自分が習った練習法やそれから派生した練習しか引き出しはないと思います。

日々、世の中のすべての事柄は進化しています。

常に学ぶ意識を持ち、情報をアップデートすることが不可欠です。



練習の質③−専門的な競技練習以外のことの必要性−

最近、このことの重要性を感じます。

上記で能力の頭打ちについて触れましたが、その頭打ちを克服する1つの要素に、競技練習以外の事柄・内容があると思います。

人間っておもしろいことに、転移という能力があるんですね。

極端な例をあげます。

ドリブルで抜けなくなった場合、ドリブルのスピードを速くしようとします。

そもそもとして、ドリブルの上手さと脚の速さが組み合わされば、ドリブルは速くなります。

コーンドリブルでドリブルの上手さを磨き、筋トレや走り方のトレーニングで脚を速くします。

しかし、多くの人はコーンドリブルしかしないですよね。

最初はうまくなるかもしれないですが、そもそも、なぜ抜けなくなったか考えた時に脚が遅いからということに気づいていないことがあります。

そこが分かれば、上達しないことはないと思います。

こういうのをトレーニングの転移というのですが、詳しいことは下の本に書いてあります。



練習の質③-競技練習にもっと関係なさそうなこと-

勉強できるやつはサッカーもできるという言葉を耳にしたことがあるかもしれません。

サッカーできるやつは勉強もできるの方がいいかもしれません。

科学的・論理的に考えたり、様々な物事を結び付けることができることができる人が、サッカーも勉強もできる可能性が高いと思います。

今年度、明治大学サッカー部は12人がプロに進学することが決まりました。

えぐいですね。

サッカーだけしていてもプロになることができる確率は低いのです。

何が足りない・できない、何をすべきか考えることができる人が目標を達成しやすいのかなと思います。

選手、特に育成年代でこのことに気づく選手はいないに等しいでしょう。

もしくは、無意識にこの思考回路が出来ている選手がいるかもしれません。

しかし、大多数はこの思考ができていないと思います。

コーチングスタッフが競技練習以外の事柄の重要性に気付いていれば、選手・特に育成年代の選手の可能性はひろがります。



メディカルスタッフ・トレーナーの重要性

これは怪我してからの対応によりその後の競技人生が大きく変わる可能性があると思います。

例えば、

足関節捻挫は、痛みや腫脹などの急性期の症状にとどまらず、長期に渡る様々な後遺症を引き起こすことが理解できる。(篠田純司, 日本アスレティックトレーニング学会誌, 2018)
専門家の監視下のリハビリは自宅で行うよりも、足関節捻挫者の受傷後 8 週時点の疼痛や主観的不安定感が少ないとされた。また、受傷後 4 ヶ月時点の足関節周囲筋力や固有感覚の回復も優れていた。(Feger MA. et al, Clin Sports Med, 2015)
ウエイトトレーニング時における怪我は、専門家の監視の元、安全に正しいプロトコルが組まれれば起こる確率はほとんどない。(Avery FD. et al, 青少年のレジスタンストレーニング:NSCAポジションステイトメント 最新版, 2018)

最後のは少しテイストが違いますが、やはり専門家は重要です。

子供や保護者が、捻挫のアスリハ組めたら怖いです。



まとめ

始めに引用したnoteも似たようなことが書いてあります。

人は思ったよりも知らないことが多く、そのことに気付かないものです。

スポーツで他力本願の指導は、難しいと思います。

また、チームスタッフである人も選手同様に向上心を捨ててはいけないことは明白です。

プロならおじさんになっても学び続けるマインドを忘れてはいけないと思います。“I don't want to be a ROGAI.”



p.s.

大学受験の時期です。

2年間で20回も受験したそうです。

受験料は高いです。

大学は受験料で儲けています。

両親に感謝しかないです。

そして、大学院にも進学予定なので、さらに感謝しかないです。

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