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【リハビリ職ための複業・起業体験記(6) セミナー事業成功の秘訣】

複数の病院や介護施設でコンサルティングをしていると「うちの病院は」とか「うちの地域は」など皆さん「うちだけの特別な問題」と思っていることがあります。

しかし、ここでいう「特別な問題」とは、実は、どこの病院や地域でも共通した問題だったりします。例えば、人材育成やモチベーション、コミュニケーションなどです。

そこで、作業療法士になって10年目の31歳の時に、病院や介護施設でのコンサルティングの経験を基に、これらの多くの病院や介護施設が困っているであろう内容でセミナーを行うことにしました(リハ職向けじゃないセミナー)。

そして生まれて初めて自主開催したセミナーは2008年2月16日に開催した「成長型職員を作る7つの法則セミナー」です。

当時は、看護師や介護職の「離職」が社会問題となっていましたし、当然、クライアント先でも問題になっていました。そこで、クライアント先で上手くいった事例を基に4時間のセミナーを行いました。

まずは、案内チラシの作成です。岡山県内の500施設に配布するために、チラシ作成、印刷(当時は自宅のプリンター)、手作業での封入とラベルシール貼付、会場手配、資料作成と印刷など友人に手伝ってもらいながら準備を進めました。

そして、2008年2月に第1回のセミナーを開催しました。
参加者 11名(うち7名は招待なので、実際は4名)
売上 45,000円
費用 195,000円
収支 ▲150,000円

いきなりの15万円の赤字です。おそらく、本業の給与だけでこれだけの赤字を出せば大変なことでしょう。

しかし、ボクはすでに本業(学校教員)、副業(非常勤作業療法士)、複業(コンサルティング)と3つの収入がありましたので、15万円は痛くないわけではないですが、たちまち生活が困るような額ではありませんでした。

セラピストのなかには「セミナーやったけど、儲からない」「参加者が集まらず赤字になった」などの理由でセミナーを止めてしまう人もいるようです。

今も昔もそうですが、セミナー事業は「農耕型のビジネス」です。地道に講師のファンを増やしていくことが重要です。ボクも当時は、「ブログ(毎日:2018年6月終了)」「メルマガ(週1回:100号で終了)」「三好通信新聞(月1回:2014年1月で終了)」とアウトプットを欠かしませんでした。

特に参加者向けに毎月出していた、「三好通信」という新聞は、新聞は、コピー代、用紙代、郵送代とかかりましたが、徐々に新聞の読者からの紹介で参加が増えていきました。

今は、SNSがありますので、当時よりは安価に集客ができると思いますが、「講師のファンを増やす」というのは変わりません。
※「リハビリ職がセミナー事業で成功する方法(仮)」は別途で連載予定

そして、第2回目のセミナーは、2008年5月17日「問題解決能力を確実にアップさせるセミナー」です。
参加者 14名(招待なし)
売上  112,000円
費用  195,000円
収支  ▲83,000円
2回目にして、参加者は10名を超え、売上も10万円を超えてきました。

結局、この年、
2008年度:1年目(4回開催)
参加者 55名
売上  338,000円
収支  ▲612,000円
となりました。

普通なら、60万円以上も赤字を出せば、もうセミナー事業は撤退かも知れませんが、自作自演のセミナーは非常に楽しく(今も講師業は大好きです)、手ごたえも感じていました。

そして、2年目以降は以下の通りです。
2009年度:2年目(7回開催)
参加者 210名
売上  1,125,000円
費用   1,130,000円
収支  ▲12,000円(惜しい!)

2010年度:3年目(9回開催)
参加者 187名
売上  1,248,000円
費用  1,860,000円
収支  ▲612,000円
(納得の赤字拡大(涙)、理由は、またどこかで)

2011年度:4年目(11回開催:岡山以外でも開催開始・介護施設向けに特化)
参加者 307名
売上  1,689,000円
費用  1,232,000円
収支  457,000円(黒字化!)

2012年度:5年目(10回開催)
参加者 319名
売上  1,822,000円
費用  1,296,000円
収支  526,000円

2013年度:6年目(13回開催:自立支援型介護セミナー)
参加者 337名
売上  2,550,000円
費用  2,170,000円
収支  380,000円(累積黒字化!)

2014年度:7年目(25回開催:出版記念セミナー)
参加者 456名
売上  3,463,000円
費用  2,496,000円
収支  966,000円

結局、累積で、4年目以降で黒字化し、最終的に1,093,000円の黒字で2014年度をもってセミナー事業を終了しました。

なぜ、終了したのかと言うと、2014年の時点では、多くのセミナー会社さんから声をかけていたくようになったので、自社開催ではなく、他社で自分の企画として、セミナー開催をさせてもらえるようになったからです。

セミナー事業成功の秘訣は、「講師のファンを増やすこと」と「参加者との関係性を強めていく」ことだと思います。

今日は、少し長くなりましたが、ここまで(セミナー事業のノウハウは別途連載予定)。

では、また明日。明日は、セミナー事業成功の裏で大失敗した話です。

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