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コーヒーの勉強 Vol.1「コーヒーは植物」

はじめに

 コーヒーについての基礎知識がちゃんと理解できていないことが、先日わかりました。そこで、noteで改めてコーヒーの勉強をしようと考えました。最初は、植物としてのコーヒーについてです。

コーヒー豆とは何か?

 コーヒー豆は、「リンドウ目アカネ科コーヒーノキ属」に分類される「コーヒーノキ」という植物です。コーヒー豆は、コーヒーチェリーの中にある2つの種子であり、コーヒーチェリーから外皮、果肉、パーチメントなどを取り除いたものです。取り除かれた果肉は、昔は煮出して別の種類のコーヒー(ブン)として飲まれたり、乾燥させてカスカラにした後煮出して飲まれたり、現在は特に肥料などに使われます。生豆を覆っているシルバースキンは、焙煎時にチャフとして剥がれ落ちます。種子は基本2つが向かい合わせで入っていますが、稀に一つしか入っていないものがあり、「ピーベリー」と呼ばれ、欠点豆として扱われることもあれば、その貴重さからピーベリーだけを集めて高値で取引されることもあります。


3原種について

 コーヒーノキ属は40種に及ぶと言われていますが、商品価値のあるコーヒー豆を産するのは1アラビカ種、2ロブスタ種、3リベリカ種です。1アラビカ種はエチオピアのアビシニア高原が原産とされ、世界で60〜70%を占めます。風味、香りに優れているものの、乾燥や霜害、病虫害に弱いため、各国で品種改良が行われてきました。2ロブスタ種は、カネフォーラ種という学名も持っています。アラビカ種が比較的冷涼な高地で採れるのに対して、ロブスタ種は高温多湿地帯で生産されています。ロブ臭と呼ばれる独特の香りと強い苦味をもち、おもにインスタントコーヒーなどの工業用コーヒーに用いられています。3リベリカ種は、日本にはほとんど流通していないようで、西アフリカが原産です。さまざまな環境に順応するものの、さび病に弱く、味もアラビカ種に劣ることから、国内消費や研究に用いられることがあるようです。現在、東南アジアで栽培する地域もあります。

さび病について

 さび病は、コーヒーの葉の裏側に斑点をもたらし、樹全体に広がって枯らしてしまうだけでなく、樹から樹へと伝染して、畑、地域へと広がる伝染病です。一番の被害を受けたのは、18世紀半ば当時、生産国として期待を寄せられていたスリランカです。瞬く間に広がるさび病に対して、自分達に都合の良い説を信じ、適切な対応をしなかったため、コーヒー栽培を断念することになりました。余談ですが、その土地に紅茶を植え販売を始めたのが、トーマス・リプトンです。また、インドネシアでもさび病が蔓延し、それに対抗するようにリベリカ種を導入するものの、さび病に勝てず、更なる品種改良が進むことになります。そして19世紀末、ロブスタ種が発見されインドネシアで栽培試験が行われると、さび病に強い品種だということがわかり、また高温多湿の低地でアラビカ種よりも多くの果実を付けることから高収入だとわかり、各地での栽培につながっていきます。
 1970年ごろ、第2次さび病パンデミックがブラジル、中南米で起きました。しかし1世紀前のパンデミックを知る農家は、さび病に強いアラビカ種を品種改良により作り上げていたようです。これによりブラジル、中南米はさび病によるコーヒーノキの全滅を防ぎました。また、新品種の味に不満を感じた中南米の国々は、更なる品種改良を重ね、耐病性や味のクオリティ向上に邁進しました。


終わりに

 今回は植物としてのコーヒーについてまとめました。リベリカ種の存在やさび病について、知らないことも多くありました。深掘りすればまだまだ知識や情報、歴史はありますが、少しずつまとめていければと思います。

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