見出し画像

お礼参り

山口旅行にて

 私は現在、会社を休職している身です。それももうすぐ終わるため、最後にどこかに旅行しようと急に思い立ち、山口に行くことになりました。基本的にはカフェ巡りをしようと考えていたのですが、唯一、観光名所である防府天満宮には行こうと決めていました。


学問の神様

 防府天満宮は、学問の神様と言われているそうです。私が高校受験を控えていた中学生の頃、いとこ家族が山口に旅行に行ったらしく、防府天満宮のお守りを買ってきてくれました。いとこ家族とは距離が遠く、なかなか会えない場所に住んでいましたが、お守りを買ってきてくれるという気遣いに嬉しさを感じたのを覚えています。そのおかげもあってか、第一志望の高校に入ることができました。


感謝を伝える

 実は旅行の途中で、時間的に防府天満宮には寄れないかなと思う時がありました。しかし、初日にご飯を共にしてくれた大学時代のバイトの上司から、「そういう感謝は行動にしたほうがいい」と言われ、私はハッとしました。これまでお礼参りというものはしたことがなく、神頼み的なこともそれほど信じていませんでした。「合格したのは当然自分の実力だ」とも思っていた私ですが、よく考えれば、たくさんの支えがあって勉強ができ、受験ができ、合格することができたんだなという思いに至りました。神社では神様という対象に対してお願いをするというものだと考えていましたが、このお礼参りでは、これまで支えてくれた人たちに、神様を通じてお礼をしようと思い、予定を少し変更し、防府天満宮に行きました。


言霊?

防府天満宮には山口出身の友人と行きました。友人も初めて来たらしく、二人して荘厳な建物に感動しました。感謝の気持ちを神様に伝えたところで、二人しておみくじを引こう、となりました。実は私は、ここ何年も大吉を引いたことがなく、またこのような運試しにはかなり弱いと自負していました。しかし、「自分に運がない」というネガティブな言葉は本当に運を下げると意外にもたくさんの人に言われたので、思い切って友人の前で「自分は運がいい。多分大吉だろう」と強い気持ちで言いました。すると、本当に大吉が出たのです。記憶では5年以上ぶりです。言葉には言霊が宿るというのは、案外信じても良いものなのかもしれません。


お礼参りを終えて

 これまで、神社で神様にすることといえば願い事ばかりでした。今回初めてのお礼参りをしてみて、私の周囲で支えてくれた人や少しでも想ってくれた人に対する感謝は、自分の気持ちも整えてくれるなと感じました。心の奥底で思っていることを頭の中で言葉にしてみると、自分がどれだけ支えてもらい、どれほど感謝しているのかを強く感じることができます。もしかすると神様とは、これまで出会った、そしてこれから出会う人たちの集合体なのかもしれない、と思いました。思いがけない幸福や耐え難い試練なども、周囲の人間からもらうものです。周囲の人たちに対しても、神社で神様と対話するように、感謝と決意を伝えていきたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?