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出会って2回目で10日間の居候

「ウチ泊まります?全然いいですよ」
と出会って2回目で言われた。最初は申し訳なくて断ったが、結局泊まることにした。図々しくも10日間も。

片道1時間半ぐらいの場所で10日間毎日夜結構遅くまで、イベントに向けての準備だった。当初はドミトリーをとってそこを拠点にするつもりでいたが、イベントで出会った子の思わぬ誘いにのってしまった。貧乏大学生にとっては、すごくありがたい。

ベリーショートがすっごく似合っている、2つ下の女の子。ここでは、ショー子ちゃんと呼ぶ。もう人類みな兄弟だと本当に思っていそうなほど、みんなウェルカム!って感じだった。

ショー子ちゃんの家は私の家と違い、たくさんのもので溢れていた。

「すみません、散らかってますけど」
と言うだけ、本当に散らかっていた。最初は正直言うとその散らかり様にびっくりしたものの、おかげで私もここで緊張感を持たないでいいと思わせてくれるような気がした。

「あ、これシャンプーリンス使ってください。こっちの化粧水とかもよかったら。」
もう何から何まで使わせてくれる。

「これ、カミソリ、私と一緒でよかったら使ってください」
いやいや、流石に大丈夫。っていうか脱毛してるから大丈夫。カミソリシェアって、聞いたことない。

「え、自炊とかします?私全然自炊しないんで、料理担当お願いしていいですか?私洗濯するんで」
というショー子ちゃんの申し出により、
私→料理担当
ショー子→洗濯掃除担当
となった。

もう同棲みたいやん。なんだかわくわくする。
「同棲みたいだねー」
と言い合って笑った。

ショー子ちゃんは気を遣っていない風に気を遣える。私が全然気にならないレベルで、頼みつつ私のためにも何かする。

料理をすれば必ず褒めてくれる。味が薄ければ、
「健康的!」
と言い、逆に濃くなってしまった時は、
「私濃い方が好きです。ご飯がすすみます。」
と言う。

毎回毎回私の作った料理を写真に撮ってはSNSにあげてくれた。その喜び方が嬉しかった。

私が料理中に服にシミを作ってしまった時は、食器用洗剤でちまちま落としてくれた。

ちょうど彼氏に私からすれば、”ちっちぇーこと”を注意された時と重なって、余計にその他人との適度な距離の取り方が上手なショー子ちゃんが輝いて見えた。同時に、彼氏の嫌な部分が見えてしまった。人と人を比べて評価してしまうのは良くないとわかっているけれど。

ちょっとグイグイ来つつ、でもお互い干渉しない時間も作る。適度に甘えつつ、自分のことは自分でやる。

家の中はいつかショー子ちゃんがもらったであろう手紙やメッセージカードがあちこちに貼られていた。彼女の人柄が出ていた。

他人の家にこんなに長い期間居候したのは初めての経験だった。ショー子ちゃんとの出会いに感謝。このイベント限りじゃなくて、これからもどこかで関われたらいいなと思う。

素敵な子でした。ありがとう。

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