見出し画像

[総裁選]首相就任へ 岸田氏の人物像・政策とは

今日(9月29日)投開票された自民党総裁選の決選投票で勝利を手に入れた岸田文雄さんとはどんな人物で、これからどのような政策を推進していくのでしょうか。これまでの経歴や関係者への取材から紐解きます。

6年前に広島で開かれた新年会。約1000人の招待客を前にして、地元後援会のトップはこれまで同様、この地元出身の政治家に直接注文をつけていました。

「あなたの挨拶は評論家みたい。何をしたいのか説明したり、国家のビジョンを語らなければ誰もついてこんよ。本でも出せや。」

それを傍らで苦笑いしながら聞いていたのが、伊藤學人会長より少し年下の岸田文雄議員その人でした。続いて行われた自分の挨拶で、岸田氏は伊藤会長の意見に反論することなく、もちろん、冗談にすることもありませんでした。二人は知り合って30年ほどで、先代から付き合いがあります。伊藤氏自身は地元広島の卸市場関係者です。

「生真面目な人。バカがつくほどの」伊藤会長はそのように岸田さんを形容します。地元の人たちが陳情に行っても、無駄話は一切なく、ただただ正面から答えるのみ。

今回の総裁選における勝利では、岸田さん個人の性格的な魅力が重要な要素としてあった、と言えそうです。

岸田新総裁は日本というGDPで世界第3位の大国をどのような方向に変えていくのか。不透明な部分も大きいですが、彼の経歴、最近の言説、そして哲学の原点をたどっていくと、岸田政権の方向性がぼんやりと見えてきます。

ここから先は

3,453字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?