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#126 『人を叱る3つのコツ』

本日は、アーティステックスイミング元日本代表ヘッドコーチの井村雅代さんの「人を叱る3つのコツ」についてのお話です。スポーツ界の指導者の中でも厳しいイメージのある井村さんですが、シンクロ競技が正式種目となった1984年ロサンゼルス五輪から6大会連続でメダルを獲得しました。2004年アテネ五輪を最後に退任した後、10年ぶりに指導者に復帰すると低迷する日本シンクロを見事に立て直し、2016年リオデジャネイロ五輪で再びメダル獲得に導きました。

今回のお話は、長い間、日本のシンクロ界で結果を残してきた井村さんの指導論の一つでもある「叱る」について語られています。自身も学生時代にスポーツをしていたので、どんな叱りを受けてきたかを思い出しながら読んでいました。

人を叱るという行為は、人間関係や信頼関係の構築において、諸刃の剣でもあるのだと思いますが、どのように人と接するか、どのように伝えるか、相手のことを本気で考えていないとプラスの方向には導くことはできないのだと思いました。

"スポーツ界で叱る教育の代表といえば、すぐに私の名前が挙がります。でも、私の中では叱っているという意識は全くありません。下手だから下手、ダメだからダメ。本当のことを言っているだけなんです。そして本当のことを言ったら、私は必ず直す方法を言います。一つの方法だけでは直りませんから、今度はこうやってごらんと、どんどん次の直し方を言う。そして直ったと思ったら、「それでいいよ」とちゃんとOKを出すんです。"
"叱るコツをお教えするならば、叱る時はまず現行犯で叱ってください。いまのそれがダメなんだって言われたら、人間は反省します。「君、この前も同じことを言ったよ」と古いことを持ち出してはいけません。これをやられると、いまやったことへの反省が薄れてしまうんです。もう一つしてはいけないことは、しつこく叱ること。それは本人の自己満足で、聞いている人は「もう分かったよ」って嫌気が差してくるんです。"
1. 現行犯で叱ること
2. 古いことを持ち出さないこと
3. しつこく叱らないこと
"叱る時は本気でかかってください。相手がどんなに小さなお子さんでも、自分に本気でぶつかってくれているからどうかは分かるんです。中途半端に叱るくらいなら、最初から知らん顔しているほうがましです。叱るとは、いま自分の目の前にいるこの人は、絶対にこのままでは終わらないんだ。いまの状態よりも必ずよくなるんだと、その人の可能性を信じることなんです。"


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/05/06 『人を叱る3つのコツ』
井村雅代 アーティステックスイミング日本代表ヘッドコーチ
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※Photo by RODNAE Productions from Pexels