見出し画像

#254 『気を満ち溢れさせる4条件』

本日は、九州旅客鉄道会長の唐池恒二さんの「気を満ち溢れさせる4条件」についてのお話です。

"繁盛する店と繁盛しない店を分ける一番の要素は、その店に気が満ち溢れているかどうかだと気づきました。気というのはたとえ初めて行く知らない店でも、なぜか入る前から薄々感じるものです。綺麗に掃除されていたり、元気のいい声が飛び交っていたり、そういう店はいい店だなって思いますよね。実際、料理もサービスもほとんど間違いない。では、気を満ち溢れさせるにはどうするかと。これは外食事業部時代からいまも社員に言い続けていることです。"
"一つ目は「スピードあるキビキビした動き」。迅速に動くと気が集まります。"
"二つ目は「明るく大きな声」。挨拶にしても打ち合わせや電話にしても、小さな声でヒソヒソ喋っている人がいるんですけど、それじゃあ全然職場に気が満ち溢れません。"
"三つ目は「隙を見せない緊張感」ですね。誰に対して緊張感を持つのか、それはお客様です。本社にいるとお客様は見えませんので、お客様を想定して、こういうことをしたらお客様はどう感じるか、どう反応するかということを意識する。"
"四つ目は「貪欲さ」。もう一人お客様に入っていただこうと呼び込みをするとか、もう一本ビールをお勧めしようとか、もう一品おつまみをご注文いただこう、あるいはもっと自分を成長させようといった追求心、向上心です。"
"「スピードあるキビキビした動き」「明るく大きな声」「隙を見せない緊張感」「貪欲さ」、この4つを徹底的に現場に浸透させることで、8億円の赤字を抱えていた外食事業部を3年で黒字化へと導くことができたんです。7年間外食事業に携わった後、鉄道事業でも同じ手法を用いて改革にあたりましたが気というのは規模の大小、業種の違いに関係なく、どんな組織でも共通するのだと確信を得ました。"

さらに、3つ目の「隙を見せない緊張感」についてはこのように語られていました。

"現場は常にお客様に見られているので、お客様がいつ来られてもいいような態勢を整えておく。接客サービスで一番大事なのは、「待っている時の姿勢」なんです。お客様は大抵予告なしで突然いらっしゃいますよね。その時に、いつ来店されてもいいような表情、態度、事前の準備ができているかどうかです。例えば、店に入った瞬間、従業員がつまらなそうな顔をしてボーっと突っ立っていたり、客席の横に食材の段ボール箱が放置されていたりすると、それだけでもうこの店はダメだなと思うでしょう?ですから、接客サービスというのは準備で8割決まると思います。普段から準備をしていないと咄嗟の時に対応できない。毎日「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」という声出しや笑顔の訓練をしていると、咄嗟の時にも自然と出せる。お客様に隙を見せない緊張感を持つとは、準備を徹底するということなんです。"


============
書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/09/11『気を満ち溢れさせる4条件』
唐池恒二 九州旅客鉄道会長
============

※Photo by Heidi Fin on Unsplash