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#322 『''たまたま''ということはない』

本日は、相撲力士で第69代横綱の白鵬翔さんの「''たまたま''ということはない」についてのお話です。

"私が十両に上がって関取になるまでの3年間、いつも心掛けていたのは、「稽古は本場所のごとく、本場所は稽古のごとく」ということ。あとは、なるべく人を怒らせないようにしようと。何ていうか、なるベく人を立てようという思いがありました。そういうことが勝負に生きたような気がします。"
"幕内力士の定員は42人です。その42人に入るために何百人という力士が鎬を削っています。ある人が言っていましたが、''たまたま''ということはないそうですね。そういう星の下に生まれた、という言い方をされて、ああ、なるほどなと思いました。"
"歌手の松山千春さんとお話しした時、「''運''という漢字の意味がわかりますか」と聞かれ、私は漢字がわかりませんから、教えていただいたのですが、「''運''は軍が走ると書くから、戦わないと運は来ない」とおっしゃっていました。"
"私はいろんなことを教えてくださる方にたくさん出会いました。相撲は結果を出してナンボの世界で、結果を出せば10代や20代ではとても会えないような方にも会えますからね。そういう機会も心の成長に繋がっていきます。やはりいろんな方の話を素直によく聞くことが、自分を成長させるために大切だと感じています。"
"地位が人をつくるといいますが、確かにそういう部分はあると思います。横綱に昇進した時、それまでお会いしたことはなかったのですが、自分からお電話して、亡くなった大鵬親方の自宅まで会いに行ったんです。その時、横綱とはどういう存在か、どうあるものなのか、ということを3時間も4時間もの間、ずっとお話しいただきました。おかげで何となく横綱というものが分かったような感じがしましたが、やはり3、4年経って、また不祥事などのいろんな事件があって、次第に綱の重みみたいなものを感じるようになりました。"
"やめるのは簡単なんですね。10年やるのは本当にきついんだけれども、それをやりきった後に違う景色の中に自分がいるんじゃないかと思うのです。"


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/11/18 『''たまたま''ということはない』
白鵬翔 第69代横綱
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※Photo by Alessio Roversi on Unsplash