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#78 『生徒に遅刻をさせない方法』

"1回目は本人と親に注意します。2回目は朝、校門の前で立っています。3回目は家に誘いに行く。それでもあかんかったら、前の晩から生徒の家に泊まるんですわ。親御さん、先生に泊まられたら嫌やから、学校に行かせる。要は、そこまで教師はやりきらなあかんと思うんです。"

本日は、教育者で大阪市立松虫中学校教諭の原田隆史さんの「生徒に遅刻をさせない方法」についてのお話です。教育者としてのキャリアを歩んできた原田さんは、株式会社原田教育研究所代表、高知市や奈良市の教育アドバイザー、ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授、N高等学校評議員など、幅広い活躍をしています。

今回のお話のタイトルは「生徒に遅刻をさせない方法」ですが、その内容としては、「人を育てること」の本質が語られています。

"「育てる」ということ。つまり、生徒が何を考えているかを探り当て、その子の本当の心を知り、その声に耳を澄ますことです。"

この言葉は生徒(特にお話の中では問題や事件を起こす生徒)だけではなく、人間関係を構築する上で大切な姿勢なのだと思いました。人が何を考えているか探り当て、その人の本当の心を知り、その声に耳を澄ます。それによって本当に考えていることや感じていることを理解することができるし、関係性をつくることができるのだと思います。

"クラブ活動、クラスの活動、体育大会、文化祭などの活動を多く提供する。その中で何らかの役割を持たせる。「班長やれ」とか「ライン引きをやれ」とか「清掃せい」とか簡単なことですよ。それを徹底してやらせきるんです。"

本来であれば、その人の自発性を尊重することが一番ではあると思うのですが、まだ自発性がうまく発揮することができない年頃の生徒だったり、自分でどこに向かうべきか方向性が見いだせていない状態の時は、役割を与えてあげるというのは大切な行動であると思います。

チャレンジする一歩や行動するきっかけとなって、劇的に変化をすることやその結果によって自発性が育まれることがあるからです。

"100回でも200回でも反復練習させるとね、競技や活動の面白さとは別に、物事をやり遂げたという充実感を感じるんです。ここで心から生徒を褒めてやる。人間は些細なことでも、それを見ていてくれる人がいて、認めてもらえると心が満たされるんですね。"

やらされているという状態が一番よくないのですが、それをプラスに、ポジティブに変換することができたら、その活動は一気に充実感に変わるのだと思います。だから、辛くて苦しくても、その先につながる道標が示すことができる人こそ、教育者の役割であるのだと原田さんのお話を読んで感じました。


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/03/19 『生徒に遅刻をさせない方法』
原田隆史 大阪市立松虫中学校教諭
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※Photo by Wonderlane on Unsplash