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#132 『夢が人生をつくる』

本日は、アース製薬社長の川端克宜さんの「夢が人生をつくる」についてのお話です。川端さんは、2006年に広島支店長、2011年に営業本部大阪支店長、2013年に取締役ガーデニング戦略本部長を経て、2014年に42歳でアース製薬株式会社の代表取締役社長に就任しました。

川端さんは、現場の自主性を重んじることを大事に、ボトムアップ型の組織を目指して連続増収を達成してきた経営者です。今回のお話は、ガーデニング事業の責任者をしている時の内容がメインに語られています。「強く思うこと」が実現することにつながるというメッセージが強く印象に残ったお話でした。

"営業本部長から、ガーデニング事業への転勤を告げられたのです。ガーデニング事業は参入障壁が高く、苦戦続きで、社内ではいずれ撤退するだろうという噂が流れている事業でした。与えられた場で一生懸命やるのが人生だ、と気持ちを切り替えてはいたものの、正直なところ非常にショックでした。"
"そんな私に、当時の大塚達也社長(現・会長)は次のように言ってくださったのです。「私はガーデニング事業を何とか会社の次の柱にしたい。だが、どうにもうまくいっていない。そこで、お前にすべてを任せる。社内からも優秀な人材を集める。それでも上手くいかなかったなら、事業を畳んでもいい」"
"大塚社長からそこまで言っていただけるのなら、と覚悟を固めた私は、一つひとつ不調の原因の調べ、手を打っていきました。そして、最初に着手したのが除草剤です。除草剤は園芸市場で一番大きな市場であるにも拘らず、農耕地で使う農業として登録することが業界の常識だったことや、競合商品が多く出回っていたこともあり、社内で開発の案件がお蔵入りになろうとしていたのでした。"
"しかし、私は逆に「小さい子供やペットがいる家庭には、農薬を使わない除草剤が求められているのではないか」と発想し、常識に反して、食品成分生まれの除草剤『おうちの草コロリ』の開発・販売を決めたのです。社内からは「絶対に売れない!」と、強い反対の声が多く上がりましたが、結果として、この商品は予想を超える売り上げを記録し、現在もなお当社の基幹商品となっています。"
"その後も「自分たちもまた一人の消費者だ」という視点に立って、お客様のニーズを追求し、絶えず商品の開発・改良を努め、それまでの市場にはなかった商品を次々と打ち出していきました。そして、ガーデニング事業は前年比200%を超える売り上げを毎年記録し続ける事業へと急成長を遂げたのです。"
"これまでのビジネス人生を振り返ってみると、心身共に非常に厳しい状況が何度もありました。しかし、その度に、私の心の支えになってきた言葉があります。それは学生時代にある本の中で出逢った「人生に夢があるのではなく、夢が人生をつくるのだ」という言葉です。漫然と生きているだけでは人生に意義は生まれません。最初に実現したいと強く思う夢や目標を抱くからこそ、それを絶えず追い求め努力していくからこそ、人生はつくられていくのだと思います。"
"また、ジェームズ・アレンの「強く思うことは実現する」という言葉も心の支えにしてきました。やはり、心の底から必ず実現したいと強く思い行動したことは、何かしらの形で必ず現実のものとなっていくというのが私の実感です。"


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/05/12 『夢が人生をつくる』
川端克宜 アース製薬社長
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※Photo by S Migaj on Unsplash